「実験をAPI化するクラウドラボ」の構築を進めるTsubame Lab株式会社は、2026年7月2日・3日に日本科学未来館で開催された研究自動化のカンファレンス「Laboratory Automation Developers Conference 2026(LADEC2026)」に出展。ブースではロボットアームによる前処理自動化のデモと、自律走行搬送ロボット(AMR)を連携させた「ルームレベル自動化」の構想を実機で紹介した。
研究自動化の議論の場「LADEC2026」
LADECは、一般社団法人ラボラトリーオートメーション協会(LASA)が主催する、研究自動化(ラボラトリーオートメーション)に関する議論・情報交換・交流のためのカンファレンスだ。2026年は40名を超える登壇者による講演セッションに加え、約60社の協賛企業による機器展示やポスター発表が行われ、Tsubame Labもその一社として参加した。
企業や大学の研究開発現場では、試薬調製・分注・搬送・記録といった反復作業の多くを、いまなお研究者やスタッフが手作業で担っている。AIが仮説生成や解析を高速化する一方、実際のラボでの実験作業は研究のスピードと再現性を左右する工程として残されている。Tsubame Labは、ラボ機器をAPI・MCP経由で操作可能にし、研究者やAIエージェントがオンラインから実験を実行できる「クラウドラボ」の構築を進めており、今回の出展はその現在地を示す機会となった。
ロボットアームによる前処理・調製工程の自動化デモ
ブースでは、生物工学実験などで共通して発生する前処理・調製工程を題材に、ロボットアームによる分注、容器やプレートの搬送、工程ログの取得といった自動化技術を実機で公開した。
遠心分離機のバケットからのサンプルチューブの取り出しや、インキュベータから培養後のシャーレを取り出す動作、AIによる画像認識を用いたコロニー検出とピッキング、高精度な自動分注などを来場者に披露。特定の実験プロトコルの再現ではなく、研究現場で広く発生する反復工程をロボットが担う様子を分かりやすく示す構成にしている。




AMR連携で「ルームレベル自動化」へ拡張
実験台上の装置やロボットを連携させる自動化に加え、AMR(自律走行搬送ロボット)を組み合わせることで、試薬棚や保管エリア、測定機器といった「実験台の外」の設備との間でサンプルや器具を搬送し、単一の作業台に閉じない自動化へ拡張する考え方も紹介した。ベンチ単位の自動化を起点に周辺設備との接続を増やしていくことで、将来的には研究室全体を一つの自動化システムとして扱う「ルームレベル自動化」へと発展させる構想だ。
会場には研究者やエンジニア、企業担当者など多くの来場者がブースを訪れ、分注や搬送といった反復工程の自動化、AMR連携による適用範囲の広がり、クラウドラボからの遠隔実行など幅広いテーマについて質問や意見が寄せられたという。
今後の展望
Tsubame Labは今後、前処理・調製工程の自動化要素(分注・把持・搬送・工程ログ)の拡充、AMR連携によるルームレベル自動化の適用範囲拡大、ラボ機器のAPI・MCP化によるクラウドラボの段階的な実現、研究自動化コミュニティとの継続的な情報交換・共同検証を進めるとしている。
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