長野県大町市が「ICT学習推進事業」を展開 案内ロボット、障害物を避ける自動走行、AI教育、IoT体験コースなどプログラミング教育

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長野県の大町市は「ICT学習推進事業」として、ロボットプログラミング、AI教育に加え、IoT体験コースを開始することを発表した。ヒューマノイドロボット「NAO」を使った観光案内や、「micro:bit」とセンサを組み合わせてIoTとの連携による「障害物を検出し目標まで自動走行するプログラミング」など、本格的なものも用意している。


昨年度と今年度の活動

長野県の大町市は、昨年から地域クラブとしての大町市ICT 学習活動推進協議会を産学連携で立ち上げ、自治体、地元企業、地域ボランティアが主体となって「地域で支える教育」を推進している。
昨年は小学生を対象にヒューマノイドロボット「NAO」(ソフトバンクロボティクス)を活用したプログラミングと総合学習とのクロスカリキュラムとして、学習の成果を地域イベントで紹介した。テーマは、大町の情報発信となる「食」「観光」「歴史」「アクティビティ」。
また、AI についても、AI の得意とすること、人間の得意とすることを観点に、これから必要とされるAI 人材についての教育を実施したという。


【講座内容の例】
1.プログラムとは
2.NAOの紹介
3.NAOにしゃべらせてみる
4.動きをつける(順次実行)
5.条件分岐(IF文)
6.条件分岐・それ以外の処理(エラー処理、ELSE文)
7.チームで何を作って発表するかのテーマを選択(歴史・遊び・見る・食べる)。



IoTの体験コース

今年度は、追加カリキュラムとしてIoTの体験コースを新設。タミヤ社製のプラモデル「カムプログラムロボット工作セット」(以下、カムロボ)にBBC micro:bit (マイクロビット)と超音波センサを組み合わせることでSTEM、空間認識力の向上の要素を含めた教育を展開する。また、AI 教育については座学に加えて、体験カリキュラムにも組み入れる予定。障害物を検出し目標まで自動走行するプログラミング等を学習する。
(※対象児童は小学校の高学年)


今年度のカリキュラム内容




教育の目的

教育の目的は、プログラミングによる「論理的思考力」とあわせて「自主性」「協調性」「課題解決力」「表現力」を養成するとしている。また、地域の応援隊をつくるためのカリキュラムとしての目的もある。児童が将来、都会や海外で活躍するために地域を離れたとしても、郷土愛を持ってもらうことで大町を応援、支援してくれることを目指す。そのために、クロスカリキュラムと記憶に残る発表会、イベント参加を組み込んだ。
地方は人口が減少する地域が多く見られるものの、それを止めるのは難しいのが現状だ。2040年には全国1800 市区町村の半分の存続が難しくなるとの予測もあるという。大町市は「大町が元気であり続けるひとつの要素となればと考えて活動を推進」している。

また、地域ボランティアとして、高齢者、学生、地域住民、教員らが参加することで、年代を超えた地域コミュニティーが継続可能な体制のベースになるとともに、高齢者参加による生涯学習の実現と「生きがい」に繋げたい考えだ。
(※地域ボランティアとして、70 才の高齢者、高校生も参加)

《ロボスタ編集部》

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