ローランド・ベルガーは2026年4月15日(水)、最新レポート「ヒューマノイドロボット2026:新市場へ向けた潮目(Humanoid Robots 2026 – The Convergence Moment for a New Market)」を発表した。
ヒューマノイドロボットはプロトタイプ段階から産業規模での展開が始まろうとしている注目市場であり、本レポートでは市場ポテンシャル、ヒューマノイドロボティクスの経済性、スケーリングのための技術的・規制的前提条件の分析結果をまとめている。
調査は市場インタビュー、モデリング、ローランド・ベルガーの内部データに基づいて実施され、地域エコシステムや最初の産業用途も検証している。
バリューチェーン全体で数十億ドル規模の機会
AIとロボティクスハードウェアの進歩により、将来的にはヒューマノイドロボットが約2米ドル/時間の運用コストで稼働できるようになると本レポートは指摘する。これは高賃金国においてヒューマノイドロボットが競争力を持ち、技能労働者不足を解消するだけでなく、新産業を創り出すことを意味している。
ロボティクスメーカーは2035年までに3,000億米ドルの売上を達成でき、楽観的なシナリオでは7,500億米ドルに達する可能性もある。さらに2050年には市場規模が4兆米ドルに達し、自動車産業に匹敵する規模にまで発展する見込みだ。
ヒューマノイドロボットはロボット本体を超えて、モーター、メカニクス、センサー、エレクトロニクス、生産設備など既存の産業能力に大きく依存する複雑なバリューチェーンを通じて新たな販売市場を創出すると予想される。初期的には荷物の開梱や運搬など明確に定義された反復的な用途で活用され、ソフトウェアの成熟度が高まるにつれて対応可能なタスクの範囲も拡大していく見通しだ。
新たな安全基準と法整備が必要
地域別では、中国が量産・実装に重きを置きながら着実に好循環をもたらすエコシステムを構築し先行している。米国もAI・ソフトウェア技術起点で、より高度なR&Dを推進しつつある。
既存の安全基準は従来型の囲い込み型自動化向けに設計されており、人間と同じ空間で動的に作業するヒューマノイドロボットには新たな試験・認証手法や法整備が必要とされる。ハードウェアはすでに高度な段階にあるが、ソフトウェア、サプライチェーン、規制面での成熟が引き続き課題となっている。
日本は独自のエコシステム構築が急務
日本は自動車製造、機械工学、自動化分野で強力な産業基盤を持つ一方、投資、規模、スタートアップエコシステムは米国や中国に遅れをとっている。同社は、日本がこの成長の恩恵を最大限に享受するためには、ソフトウェアアーキテクチャ、データ基盤、サプライチェーン、規制枠組みをエコシステムとして早急に整備することが不可欠だと指摘する。
米中に並ぶ独自性ある産業エコシステムを構築できなければ、市場成長に伴う経済効果は域外に流出することが必至であり、過去に日本の製造業・産業界が経験してきた現象と同様の事態になりかねないと警鐘を鳴らしている。
ロボスタ・オンラインセミナー情報
「AIエージェント × ヒューマノイド 生成AI時代の「Pepper+」徹底解説」
ロボスタではオンラインセミナーを定期的に開催しています。
4月後半はソフトバンクロボティクスが登壇し、「AIエージェント × ヒューマノイド 生成AI時代の「Pepper+」徹底解説」を開催します。

ソフトバンクロボティクスは「Pepper」を2014年に発表、2015年に発売開始、世界初の量産型ヒューマノイドとしてギネス世界記録にも認定されました。身長約120cmの親しみやすいデザインを活かし、会話やダンス、歌といったエンターテインメント用途に加え、観光、介護、教育、小売、イベント、オフィス受付など幅広い分野で社会実装が進められてきました。
このPepperの進化版モデルであり、AIエージェント機能を中核に据えた新世代のロボットプラットフォーム「Pepper+」を2026年に発表しています。生成AIやAIエージェントを活用したヒューマノイドの社会実装の知見を紹介します。
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人とロボットが共生するこれからの住環境 MWが語る 住宅×フィジカルAI×ロボティクス最前線
5月には株式会社MWの成田修造氏を迎え、「人とロボットが共生するこれからの住環境 MWが語る 住宅×フィジカルAI×ロボティクス最前線」を開催します。
フィジカルAIやヒューマノイドが話題になる中、「ロボットやAIが溶け込む住宅とは何か」という、近い未来に起こる住環境の変革について解説していただきます。

フィジカルAIやロボットが住宅環境にどのような進化を与えるのか。斬新な発想とデザイン、AIやロボットの活用法やビジネスモデルを紹介します。
セミナーの詳細とお申し込みはこちら。
アイリスグループのロボット事業拡大戦略 ~AIロボット市場の勝ち筋を探る
5月26日(火)には「実装」と「販売」の両輪でAIロボット市場を開拓している、アイリスオーヤマを筆頭としたアイリスグループによる「アイリスグループのロボット事業拡大戦略 ~AIロボット市場の勝ち筋を探る」を開催。

同グループの実績は、清掃ロボットを中心に導入企業7,000社以上、累計出荷台数は22,000台以上にのぼり、急成長を遂げています。
セミナーでは、アイリスオーヤマの大山社長が登壇、ロボット事業戦略についてご講演頂きます。続いて、東京大学大学院情報システム工学研究室(JSK)出身で、元Googleのロボットエンジニアであり、同社傘下のシンクロボの小倉社長より製品スペック等の詳細をご説明頂きます。
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