フィジカルAIで物流倉庫の完全自律ロボット稼働を実現 SAP・Cyberwave

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2026年5月12日、ドイツのエンタープライズアプリケーションソフトウェア企業であるSAP SEとイタリアをメイン拠点とするAIロボティクスソフトウェア企業のCyberwaveは、SAPが運営する稼働中の物流倉庫において、AI搭載の完全自律ロボットの本格配備に成功したと発表した。

この取り組みは、SAPが昨年発表したフィジカルAI能力の戦略的強化の一環であり、先進的なロボティクスを同社自身の施設に実装する重要なマイルストーンとなる。

ドイツ倉庫での実証稼働

配備が行われたのは、ドイツのザンクト・レオン=ロートに位置するSAPの物流倉庫だ。同倉庫はSAPのクラウド物流実行ソリューション「SAP Logistics Management(LGM)」上で運用されており、ロボットはダンボールの折り畳み、梱包、出荷業務を完全自律で実施している。

SAPの倉庫・出荷責任者であるティム・キューブラー(Tim Kuebler)氏は「AI搭載ロボティクスを倉庫オペレーションに直接統合することで、フィジカルAIがもはや概念ではなく、今日すでに真の価値をもたらすことを証明している。SAP LGMはロボットを迅速に展開し、信頼性高く稼働させ、プロセスに適応させるためのデジタル基盤となっている」と述べた。

SAP LGMのAPI優先・軽量アーキテクチャは、2026年のLogiMAT展示会でも注目を集めており、迅速な実装と標準化されたプロセスが評価されている。ロボットへのタスク指示はSAPのエンボディドAIサービスを通じて行われ、SAP Business Technology Platform(BTP)とCyberwaveプラットフォームを介したエンドツーエンドの統合が数分で完了する。

Cyberwaveが解決する物流ロボティクスの課題

物流環境は、ロボティクスにとって最も難易度の高い現場のひとつだ。形状が不規則な多様な物体の操作、ダンボールの折り畳みと梱包、荷物の移動、ラベル貼付、出荷処理など、タスクは常に変化する。従来のロボットシステムはタスクの変化ごとに手動でのコーディングが必要であり、実際の環境変化に対応できないケースが多かった。

Cyberwaveはこの課題をエンドツーエンドで解決する専用プラットフォームを開発した。同プラットフォームでは、直感的なデモインターフェースを用いた学習データの迅速な収集、ビジョン・言語・アクションモデル(VLA)と強化学習(RL)モデルのファインチューニング、そしてリアルタイムのフィードバックループによる継続的な改善が可能だ。

従来は数週間を要していたロボットの学習が、Cyberwaveのプラットフォームでは数時間に短縮される。ロボティクスの専門知識を持たないオペレーターでも、簡単なデモ操作だけで新しいタスクをロボットに習得させることができる。

Cyberwaveの共同創業者兼CEOであるシモーネ・ディ・ソンマ(Simone Di Somma)氏は「SAPとの実環境での倉庫配備は、Cyberwaveにとってだけでなく、AIロボティクスが企業物流にもたらせる価値を示す決定的な瞬間だ。ロボットはもはや各物体やシナリオに対して細かくプログラムされる必要はなく、学習し、適応し、継続的に改善される」とコメントした。

成果と今後の展開

ザンクト・レオン=ロートの倉庫では、Cyberwaveプラットフォームで学習・配備されたロボットが、ダンボールの折り畳み、梱包、出荷業務を完全自律で実施している。これにより、人間の作業者は反復的で身体的負担の大きい作業から解放され、倉庫全体のスループットが向上している。

ロボットの学習から実稼働までの全統合プロセスは、SAP BTPとCyberwaveプラットフォームを活用して実現された。SAPは引き続きフィジカルAI能力の強化を進め、自社オペレーションの最適化と顧客への価値提供を展開していく方針だ。


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