国産生成AI基盤の開発とビジネス向け生成AIサービスを手がけるストックマークは2026年7月29日、Noetraなどが進める、AIロボットやフィジカルAIの基盤となる「国産マルチモーダル基盤モデル」の研究開発に参画すると発表した。
経済産業省・NEDO事業を背景に参画
AIがテキスト空間を超えて実世界のデータを認識・制御する「フィジカルAI」は、製造や物流、インフラなど幅広い産業領域の高度化に不可欠な技術とされている。今回の取り組みは、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」に、Noetraと産業技術総合研究所(産総研)が採択されたことを受けたものだ。ストックマークは、この事業が目指す「国産マルチモーダル基盤モデル」の実用化に向けて参画する。
ストックマークはこれまで、ビジネスドキュメントという複雑な情報の読解と構造化を通じて、生成AIの社会実装を推進してきた。この過程で培った大規模言語モデル(LLM)および視覚言語モデル(VLM)の高度な開発力と学習ノウハウが、フィジカルAI基盤の開発においても技術的なブレイクスルーをもたらすと判断し、Noetraのビジョンに賛同して参画を決定した。
VLM研究者の出向を通じて開発を推進
ストックマークは、VLM Researcherの人材をNoetraへ出向させる形でプロジェクトに参画する。同社がこれまで1000億パラメータのLLMや世界最高水準のVLM開発で蓄積してきた「複雑な情報の読解・構造化技術」と「モデル学習のノウハウ」を提供し、Noetra内での開発を直接的に推進する方針だ。
グローバルなAI開発競争が激化するなか、日本の強みである現場データやものづくり基盤を活かした独自モデルの構築という社会的責任を重く受け止め、事業の成功に寄与していくとしている。
ストックマークの研究開発実績
2024年5月:国内最大規模(当時)の1000億パラメータLLMをフルスクラッチ開発した日本語LLM「Stockmark-LLM-100b」を公開
2025年3月:画像や図表を含む複雑な情報を読解できるVLM「Stockmark-2」など、マルチモーダル領域の基盤技術を開発
2026年7月:NVIDIAの推論モデル「Nemotron-3-Nano-Omni」に独自の日本語追加学習を施したVLM「Stockmark-Nemotron-3-Nano-Omni-JapanDocReader」をオープンソースで公開
フィジカルAIの分野では、ヒューマノイドロボットや産業用ロボットの制御に大規模モデルを活用する動きが海外企業を中心に加速している。今回の取り組みは、国内の生成AI企業が持つ言語・視覚モデルの開発力を、実世界で動くロボットの基盤技術に応用する事例として注目される。
ロボスタオンラインセミナー情報
ロボットの世界大会「ロボカップ」にもヒューマノイド・フィジカルAIの波
ヒューマノイドとフィジカルAIで変革期を迎える「ロボカップ」の現状を解説するセミナー「ロボカップはヒューマノイド・フィジカルAI時代へ 世界大会2026が示すロボット競技の変革と新潮流」を開催します。

ロボット競技の世界大会「ロボカップ」は1997年に日本からスタート。サッカーは認識、判断、移動、協調行動などAIとロボティクスの要素技術を総合的に必要とするため、研究開発を加速させる共通課題として選ばれました。その後、レスキュー、ホーム/サービス、産業応用(インダストリー)、ジュニアなどへ分野を拡大しています。
セミナーでは、ロボカップ日本委員会理事長の岡田教授をお迎えし、ロボカップの歴史と現在地、ヒューマノイド化が進む背景、各リーグの最新動向、そして日本が直面する課題について解説いただきます。さらに、韓国で2026年7月に開催される「RoboCup 2026世界大会」の現地レポートとして、写真や動画を交えながら、世界大会の最前線で何が起きているのかをご紹介いただきます。
先着で無料ご招待します。詳しくはこちら。
「AIロボティクス立国」実現へ ロボット議連が示すフィジカルAI時代の国家戦略
ロボット議員連盟会長であり、自民党経済産業部会のロボティクス戦略プロジェクトチーム座長も務める山際大志郎衆議院議員をお招きして、オンライン対談「AIロボティクス立国」実現へ ロボット議連が示すフィジカルAI時代の国家戦略 を開催します。

2026年、日本政府はAIロボティクスを新たな成長分野として位置付け、「AIロボティクス戦略」を策定しました。この戦略の策定を政治の側から後押ししたのがロボット議員連盟であり、2026年6月には新たな提言をまとめ、官房長官へ手交しています。
ロボット議員連盟が提言に込めた狙い、政府が「AIロボティクス戦略」を策定した背景、米国・中国との競争をどう捉えているのか、日本の強みはどこにあるのかについて詳しく聞きます。
また、産業界、スタートアップ、研究機関は今後どのような役割を担うべきなのか。ロボット産業に携わる人が知っておきたい、日本のAIロボティクス戦略の全体像と、社会実装に向けた具体策に迫ります。
先着で無料ご招待します。詳しくはこちら。
急成長する中国ヒューマノイド市場をデータと政策、日中連携事例から読み解く
ロボスタではオンラインセミナー「日本企業は中国ヒューマノイド産業とどう向き合うべきか 急成長する中国市場をデータと政策、日中連携事例から読み解く」を開催します。

匠新(ジャンシン)は、「日中イノベーションのエコシステム」をつくることを掲げ、日本企業と中国企業、政府機関、大学、投資家、メディアをつなぎ、日中間の事業連携を支援してきた企業。中国ヒューマノイド市場の最新動向とデータ分析、中国イノベーションの現場、日本企業との連携事例、日本企業は中国ヒューマノイド産業とどう向き合うべきか、などについて解説していただきます。
世界をリードする中国ヒューマノイド産業の現在地と、日本企業にとっての連携・参入の可能性を、データと具体的な事例から読み解く貴重な機会です。
先着で無料ご招待します。詳しくはこちら。