エーアイとTIS、人工知能搭載のスマートスピーカー「AISonar」を開発。共同実証実験を実施へ

音声合成エンジンAITalkを開発・提供する株式会社エーアイと、TISインテックグループのTIS株式会社は、音声認識・AI・機械翻訳・音声合成を組み合わせたスマートスピーカー「AISonar(エーアイソナー)」を新規開発したことを発表した。2018年春の製品化に向け、2017年10月から共同実証実験を実施する。

「AISonar」は、両社が共同開発した音声認識技術・意図解釈技術(AI)・機械翻訳技術・音声合成技術を組み合わせた、スピーカー型のコミュニケーションツール。高さが14.5cm、幅が7.5cmと、Amazon Echoよりも一回り小さい(Amazon Echoは、高さが23.5cm、幅が8cm)。語りかけることでユーザーの音声を認識し、人工知能(AI)を利用した意図解釈によって最適な回答を音声合成で発話する。また、多言語での出力が必要な場合は機械翻訳技術により、日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語などで双方向の翻訳をおこない、音声合成で発話することも可能だという。



音声合成技術には、エーアイのAITalkを利用したクラウド型音声合成「AICloud」を搭載し、高品質な日本語音声合成を実現していく。また、エーアイと協業する欧州の音声合成技術企業アカペラ社の持つ多言語のクラウド音声合成の搭載も予定している。

「AISonar」は、2017年10月11日~13日に開催の「IoT Japan 2017」において、エーアイ・TIS共同出展ブースで実機が初公開される。

なお、「AISonar」のハードウェア、音声認識技術・意図解釈技術(AI)には、東京大学発のベンチャー企業フェアリーデバイセズが開発した聴覚クラウドプラットフォーム「mimi®」搭載のハードウェア製品群「Fairy I/O™」シリーズが利用されている。

「AISonar」の開発は、エーアイ初のIoT事業となる。音声認識・人工知能・機械翻訳など、音声合成技術と親和性の高い最先端技術との連携により、音声技術と関連する新たな事業領域の拡大を目指す挑戦だ。一方TISでは、2017年5月よりベータ版公開している業務チャットボットプラットフォーム「DialogPlay」とスマートスピーカー「AISonar」を連携させることで、従来のコミュニケーションツールとは一線を画した新たなインターフェースとして、業務システムへの活用を目指していくと展望を語っている。



エーアイとTISの共同実証実験について

実証実験では、「AISonar」を、日本人や外国人が多く訪れる店舗、観光案内所、自治体窓口や、銀行などの金融機関窓口で、人手を介さない自動顧客対応デバイスとして活用をする。実証実験のスケジュールは2017年10月から翌2018年1月まで。2018年春の本格製品化および具体的なソリューション開発に繋げていきたい考えだ。


音声合成大手のエーアイとSI大手のTISが組むことで、どんなデバイスへと成長を遂げていくのか。まだ実証実験の前段階とはいえ、興味深いプロジェクトになることだろう。

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ロボスタ編集部

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