診断速度は医師の6千倍 虫歯など歯の病気を発見する診断AIが開発

医療法人社団葵会とメディホーム株式会社は歯科パノラマエックス線における診断AI(人工知能)を共同で研究開発した。

葵会・AOI国際病院総合研究センターとメディホームは、2018年3月に「医療×IT」の発展に向けた共同開発プロジェクトを立ち上げ、取り組みを行ってきた。今回の研究開発では、歯科パノラマエックス線における診断AIシステムの基本機能を開発し、「う蝕(虫歯)」をはじめ、「根尖病巣」、「歯石」、「嚢胞」、「根分岐部病変」の各症状の患部を検出することが可能となっている。病状によっては、医師が見逃した患部を診断AIが特定するなど、「人間を上回る精度を発揮し始めている」とメディホームは述べている。


診断AIの検知イメージ

また、診断AIによる歯科パノラマエックス線画像の読影時間は、1枚あたり0.018秒程度であり、ベテラン歯科医師による平均的な読影時間120秒の約6000倍で診断が可能だという。診断AIは機械学習を用いている為、教師データ(患部情報)を読み込ませ、学習を重ねることで精度が向上していく仕組みだ。今後、更なる診断精度の向上と、歯科エックス線システムやカルテシステムとの連携などの機能強化を予定している。

現在、多くの医療分野でのAI導入が検討されている中、葵会とメディホームは歯科医療における、歯科パノラマエックス線画像の分析に着目。歯科パノラマエックス線画像は、歯科治療の初診時にはほとんどの患者に対して撮影されるエックス線写真であり、口腔内全体を把握することができる。

しかし、歯科パノラマエックス線画像の読影は歯科医師の経験等により差が出ることもあるため、正確な読影による診断に基づく「医療の標準化」およびAIによる「ダブルチェック」が望まれている。そのため、「歯科医師のサポートを行うことが可能な診断AIを開発することができれば、診断品質の向上や医師の業務負担の軽減も期待できると考えました」と研究の背景を述べている。


システムイメージ。

今回の共同研究では、葵会と歯科医師のスタディグループ提供による教師データを用い、AOI 国際病院歯科口腔外科の田島聖士医師を中心として歯科パノラマエックス線の読影および検証を行い、診断AIの開発をメディホームにて実施した。なお、今回のR&Dで使用した教師データ数は、パノラマエックス線写真を約12,000枚、病状患部を約25,000件を利用している。

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ロボスタ編集部
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