ソフトバンクとDMP基盤が自動運転向け3次元「ダイナミックマップ」にエッジコンピューティングを使った実証実験

ソフトバンクが自動運転や安全支援システムの中核を担う高精度3次元地図「ダイナミックマップ」に関してMECサーバーを活用した実証実験を2019年1月中旬に実施した。ソフトバンクとダイナミックマップ基盤(DMP)が連盟で発表した。

「ダイナミックマップ」とは、自動運転車両が安全に走行するために、交通規制や道路の高さ制限などの情報をリアルタイムに認識するための3Dマップ。このマップには、静的情報・準静的情報・準動的情報・動的情報が組み込まれている。センサーで取得した環境データをマップに搭載された情報と照らし合わせながら処理を行うことによって、安全な自動運転を可能にする重要な技術のひとつと言える。



安全性と高速性が求められる

しかし課題もある。自動車に搭載されたシステムだけ処理を行うのは負荷がかかり過ぎてしまったり、解析速度が遅すぎる。一方、ネットワークとクラウドによって情報と照らし合わせる方法ではレスポンスに課題があり、通信時間もかかってしまう。そこで、自動運転車が環境を認識する速度を上げる方法として、測定データを安全な回線で、なおかつ高速で処理するしくみが必要となる。

ソフトバンクが行った実証実験

今回実施した実証実験では、エッジ・コンピューティングを活用した。高精度3次元地図製作用のレーザー・カメラ・システムを搭載した車両で公道を走行。走行した道路の3次元情報を取得し、安全なソフトバンクの専用回線のMECサーバー(エッジ・コンピュータ)上で測定したデータを処理、逐次解析することで、遮蔽物などによって正確に測定できなかった地図情報を、走行中の車両内や遠隔地で準リアルタイムに確認することができた。

MECサーバーのMECはMulti-access Edge Computingの略。端末から物理的に近い位置にデータ処理機能を配備し、なおかつ暗号化された携帯事業者の通信網の中で通信することで、安全性と高速化を実現する技術。

これによって、正確に測定できなかった場所をすぐに特定できるため、高精度3次元地図の測量作業を効率的に進めることができる様になる。今回の実証実験は4G環境で行われたが、今後5Gが活用されることで高精度な3次元地図情報の実現とリアルタイム性の向上などを期待することができる。今後、両社は5Gを活用したアルタイムな地図生成などの実現性を共同で検討していく方針。


関連サイト
DMP基盤株式会社

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム