アクセンチュア、マドリード地下鉄にAI換気システム導入で年間25%のエネルギー削減

アクセンチュアは、スペインのマドリード市地下鉄に、人工知能(AI)によって自己学習が可能な換気システムを開発・導入する支援を行ったことを発表した。今回のシステム導入により、年間で25%のエネルギーコスト、および1,800トンの二酸化炭素排出量を削減できる他、地下鉄駅構内によりきれいな空気を提供することが可能になる。

マドリード市地下鉄は、総延長294キロメートルの路線に301駅を設置しており、1日平均230万人の乗降客数を抱えている。夏季には、駅構内の涼しさを保つため891台の換気ファンを使用しており、その電力消費量は年間80ギガワット時に達していた。



マドリード市地下鉄の換気部門は、アクセンチュア アプライド・インテリジェンスの協力のもと、ハチの組織的な採餌行動という意外なものから着想を得てシステムを開発。当日の気温、駅の構造、列車の運行頻度、乗客数、電気料金に応じた最適な換気量を導き出すため、膨大なデータに基づいた最適化アルゴリズムが採用されている。

このアルゴリズムでは、履歴データとシミュレーションデータの両方が使用されており、72時間先までの外気温および地下の気温が考慮され、機械学習アルゴリズムにより、各駅の最適な換気量の予測精度を時間の経過とともに導き出すことができる。さらに、シミュレーションエンジンとメンテナンスモジュールが搭載されているため、換気ファンの異常を検知することも可能だ。

これにより、マドリード市地下鉄は、エネルギー消費の監視と管理、システム不具合の特定と対応、設備の予知保全を一貫して行えるようになる。

アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する総合コンサルティング企業。40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、顧客のハイパフォーマンスの実現と、持続可能な価値創出を支援している。

アクセンチュア アプライド・インテリジェンスは、アクセンチュア・デジタルを構成するグループの一つであり、人工知能(AI)と人間の英知を事業の中核に適用することで、顧客が抱える最も複雑な課題の解決を支援している。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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