酪農・畜産向けIoTソリューションを提供するファームノートホールディングスは、第5回日本ベンチャー大賞において農林水産大臣賞(農業ベンチャー賞)を受賞したことを発表した。製品「Farmnote」はリリースから約5年で、酪農・畜産生産者の約2,900戸で利用されているという。
日本ベンチャー大賞は、次世代のロールモデルとなるような、社会的インパクトのある事業を創出した起業家やベンチャー企業等を表彰する制度で、積極的に挑戦することの重要性や起業家の社会的な評価を向上させ、社会全体の起業に対する意識の高揚を図ることを目的としている。
ファームノートホールディングスは、24時間365日、牛をみまもる牛用IoTセンサー「Farmnote Color」やクラウド牛群管理システム「Farmnote」といった農業IoTソリューション事業を展開している。「Farmnote Color」は、リアルタイムに牛の活動情報を収集し、その情報から発情、体調変化など注意すべき牛を自動的に選別しスマートデバイスに通知するというもの。データは人工知能が個体別に学習し、個体差を考慮して分析を行うためデータが増えるほど精度が高い異常検知が可能になる。
「Farmnote」はこれまで紙の台帳でのアナログ管理の代わりにPC・スマートフォン・タブレットで管理することで、最適な牧場管理が実現できる牛群管理システム。ノートに記載された活動から、発情などの繁殖予定や牛群の移動履歴、預託状況やDGの計算、血統などの個体情報を自動的に整理してくれる。そしてストーリーとして個体情報に紐付いて整理されるため、過去の履歴をいつでもどこでもスムーズに確認することができる。
今回行われた第5回日本ベンチャー大賞では、2月4日から3月11日までの期間で全国144件の応募があり、内閣総理大臣賞(日本ベンチャー大賞)1件、経済産業大臣賞2件、農林水産大臣賞1件、審査員会特別賞2件の枠が選出された。同社が選出されたのは、農林水産大臣賞というもので、その他のロボット関連会社では、内閣総理大臣賞が全自動お片付けロボットシステムの開発を行うPreferred Networksが、審査員会特別賞が自動運転システムの開発を行うWHILLが受賞している。
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ファームノートは、これまで紙の台帳でアナログ管理をしていた牛の飼養記録や共有を、全てのスマートデバイスで時間と場所を選ばず管理できる製品を提供している。製品はリリースから約5年で、酪農・畜産生産者の約2,900戸(約29万頭、国内頭数シェア約8%)の方に利用されており、今後は酪農・畜産分野へのさらなる深堀、海外展開、他の農業分野への展開を見据えているという。
ファームノート
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山田 航也横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。