【調査】クルマが完全自動運転になったら何をして過ごしたい? ~若年は「エンタメ」志向、ミドル世代は「睡眠や食事」

自動車業界では各完成車メーカーやTier1と呼ばれる一次サプライヤーが自動運転技術の研究開発にしのぎを削り、自動運転に関するニュースを目にしない日はない。では、完全自動運転が実現した未来では、皆さんは疾走するクルマの中でハンドルの代わりに何を手に取り、どのように過ごしたいだろうか。
国内マーケティングリサーチ企業の株式会社インテージは、完全自動運転の実現によって変化するドライバーの姿と、求められるクルマへのニーズについて同社のさまざまなデータを分析し、その結果を12月9日に発表した。


くつろぎながら娯楽を楽しみたい

対象は全国15歳~79歳の男女約7万人。同社の自主調査にて完全自動運転車でやりたいことを聴き取りを行った。自動運転に対して積極的な層と消極的な層の、性別・年代・自動車に対する価値観を比較した結果、生活者にとって完全自動運転車はゆったりとくつろげる空間という快適性を備えていることがマストであり、機能面では、若年向けには映画やゲームなどの娯楽がより楽しめる要素を充実させ、30〜40代には寝心地のよさ、飲食をしやすいような配慮が求められているとの結果が出た。


•自動運転車内でしたいことは「風景を見る」「音楽を聴く」「同乗者との会話」-若年は「エンタメ」志向、多忙なミドル世代は「睡眠・食事」
•自動運転、積極層(=利用したい)と消極層(=自分で運転したい)はいずれも3割台-消極層は女性より男性が多く、60代の割合は積極層より小さい



自動運転車内でしたいことは「風景を見る」「音楽を聴く」「同乗者との会話」

自動運転車内でしたいことは「風景を見る」「音楽を聴く」「同乗者との会話」など、これまでは運転していることで集中できなかったことがらを楽しみたいという回答が多くみられた。年代別で見ると、20代以下は「映像鑑賞」「歌を歌う」「ゲーム」などにも関心が他の年代より高く、移動時間をより楽しくアクティブに過ごしたいという志向が読み取れる一方、30〜40代では、「仮眠、睡眠」「食事、間食」のポイントが高く、限られた時間を有効に使いたいという価値観が垣間見えた。




自動運転消極層は女性より男性が多く、60代の割合は積極層より小さい

同じ調査で、「運転操作が不要な自動運転機能が実現したら利用したい」と答えた「積極層」は35.6%、逆に、「運転操作が不要な自動運転機能が実現しても自分で運転をしたい」と答えた「消極層」は31.5%で、完全自動運転に対して積極的な人と、自分で運転したい人はほぼ同じくらいの割合でいることがわかった。


自動運転に対する積極層と消極層の特徴

性別と年代別の構成より、積極層は男女の割合に偏りがない一方、自分で運転したい消極層では男性が6割と女性より男性が多くなっている。年代別では50代までは構成比に大きな差はないが、60代の割合は消極層より積極層が多く、運転における疲労や年齢からの不安が、自動運転に対する積極性の要因であると想像できる。
また、自動車に対する価値観を比較してたところ、積極層はクルマを単なる「移動手段」と捉えている一方で、消極層は、運転することやクルマを操ることに「歓び」や「楽しさ」を感じている。






自動運転積極層と消極層の生活価値観の違い ‐完全自動運転中に車内で求められるサービスとは‐


•積極層の価値観、購買面では消極層に比べ「ブランド感」「特別感」重視。食や調理は「簡便志向」
•積極層と消極層とで購入経験率の差が最も大きな消費財アイテムはプレミアム・アイスクリーム

さらに、自動運転積極層と消極層の生活価値観を、同社が数百項目にも及ぶ生活意識アンケート結果をもとに多変量解析を行い、10テーマ80種の因子で生活者の特徴をスコア化した“生活者のDNA”(顧客のDNA)というデータから分析。積極層に焦点を当て、完全自動運転中に車内で求められるサービスや商品開発のヒントとなる特徴的な項目を抜粋した。

その結果、積極層は買い物に特にこだわりが強いわけではないが、消極層よりブランド感や特別感など、情緒的価値を重んじる傾向にある。人付き合いはより控えめで、個人の時間を大切にしていることがうかがえ、食や調理に関しては簡便志向が強くなっているといえる。
実際、この2つの層が買っている商品の違いはあるのか、同社の消費者パネルデータSCIで2018年度の消費財購入経験率より比較したところ、購入経験率の高いトップブランド群(234ブランド)の中で、自動運転積極層と消極層とで最も差が出た商品は某プレミアム・アイスクリームであった(積極層が29.2%、消極層が24.4% と、4.8ポイント差)。


自動運転車の中で、「流れゆく車窓の景色を恋人と眺めながら、プチ贅沢なスイーツを楽しむ」。飲料・食品業界であれば、そのようなコンセプトの商品が、またエンタメ業界であれば「長旅のひととき、映画館よりも上質なシートと音響に包まれて、大好きな映画を心ゆくまで」といったコンセプトのサービスが、自動運転車で移動する人の支持を得るかもしれない。

その他、同調査の詳細は、同社のオウンド・メディア「Intage 知る gallery」にて無料公開している。

▼ 使用データ
【耐久消費財・サービスに関するWebアンケート調査】全国15歳~79歳の男女72,770人に対して行った、耐久消費財・サービスに関するWebアンケート調査。調査時期は2018年6月。
【SCI(全国消費者パネル調査)】全国15歳~69歳の男女50,000人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データ(※SCIでは、統計的な処理を行っており、調査モニター個人を特定できる情報は一切公開していない)
【生活者のDNA(顧客のDNA)】数百項目にも及ぶ生活意識アンケート結果をもとに多変量解析を行い、食や買い物への意識など、10テーマ80種の因子で生活者の特徴をスコア化したもので、あらゆる角度から生活者の意識に迫ることができるデータ
関連サイト
株式会社インテージ

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