完全ワイヤレスイヤホンで音声アシスタントと会話する方法 ドコモ「my daiz」(マイデイズ)に対応した「1MORE」イヤホンの性能と使い勝手

「Hey、Siri、いま何時?」
「OK、Google、3分タイマー」
「マイデイズ、今日の天気は?」。
既にスマホで音声アシスタントを使っている人は多いだろう。iPhoneでは「Siri」、Androidスマホでは「Googleアシスタント」が人気だ。「my daiz™(マイデイズ)」はNTTドコモ(以下ドコモ)が提供するAIエージェントサービスで、音声操作での情報表示や機能呼び出しを行うことができる。利用者は国内で750万人を超えている。

my daizの画面。音声で「マイデイズ、今日の天気は?」と発話すると画面と音声で教えてくれる(Androidの例)

では、イヤホンを使っているときに発話で指示している人はどれくらいいるだろうか?
日本ではまだまだ利用者は少ないように思うし、使えることを知らなかったという人も多いかもしれない。この記事のテーマは「イヤホンで音声アシスタントを使う」。

完全ワイヤレスイヤホン「1MORE Stylish True Wireless In-Ear Headphones」。イヤホンケースがモバイル充電器になっているので、セットすると充電が始まる(右のイヤホンが充電中)


イヤホンで音声アシスタントや「my daiz」を使う

「docomo select」(ドコモセレクト)は、ドコモのブランドで、スマートフォンやタブレットと組み合わせて使うアイテムやアクセサリー、周辺機器を幅広くラインアップ、スマホケースや充電器などの人気アイテムも揃っている。ドコモセレクトの商品はドコモオンラインショップかドコモショップで購入することができる。その中に気になる商品がある。1MOREブランドの「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」だ。

この記事のテーマはワイヤレス・イヤホンと音声アシスタントの連携。写真はdocomo selectの完全ワイヤレスイヤホン「1MORE Stylish True Wireless In-Ear Headphones」。奥は左右のイヤホンが有線でつながっているタイプのワイヤレス・イヤホン「1MORE iBFree Sport」(防水仕様)。ドコモ直営店価格は9,800円と戦略的な設定だ

完全ワイヤレス仕様のイヤホンで、音楽が聴けるのはもちろん、iPhoneなら「Siri」、Androidなら「Googleアシスタント」に音声で指示することができる。更にこの製品の面白いところが「my daiz」に対応していることだ。「my daiz」は前述のとおり、ドコモが提供している音声アシスタント。「しゃべってコンシェル」を進化させ、国内で750万人もの利用者数がいる。使えば使うほど、ユーザーの興味や好みを理解し成長しつづけるとあって、日頃から気になっているロボスタ読者も多いはずだ。
ワイヤレス・イヤホンのトレンドや、ワイヤレス・イヤホンでどのように音声アシスタントや「my daiz」を使用するのか、ドコモやイヤホン・メーカーの担当者に聞いた。



イヤホンで音声アシスタントと会話

編集部

「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」はmy daiz対応とのことですが、どのように使うのでしょうか

武田氏

「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」では、音楽再生をしていないときにイヤホンのボタンを2回タップして音声アシスタントを起動することができます。my daizを使う方法は、AndroidとiPhoneで異なります。
Androidでは、my daizをインストールしたスマホの場合、イヤホンのボタンを2回タップしたとき、スマホ画面上に起動する音声アシスタントの選択(Googleアシスタントかmy daizを選ぶ)画面が表示されます。ここでmy daizを選択し「常時」を選ぶと、次回からイヤホンを2回タップするとmy daizが自動で起動するようになります。

株式会社NTTドコモ プロダクト部 アクセサリー事業担当 武田結真氏

iOSの場合はmy daizアプリが起動しているときのみ、イヤホンから会話のやりとりができるようになります。

左右のイヤホンにあるボタンをタップして操作



Androidでは、イヤホンから音声アシスタントを初回起動するときにmy daizの常時起動を選択しておくと、以降は音楽を再生していないときに2回タップすると即、my daizと会話ができるようになるしくみ。慣れるとかなり便利だ。

一方、iOSの場合はイヤホンからmy daizを起動することはできない。iPhoneなどでmy daizアプリを起動した状態のとき、イヤホンを通じて会話できるようになる。Androidに比べると不便だが、来春対応するmy daizの音声によるナビゲーション機能では便利に利用できそうだ。まずは、iPhone等でmy daizアプリを起動して目的地を検索して指定すれば、以降、歩き出してからの誘導案内はmy daizがイヤホンから音声で行ってくれるという手順になるからだ。





「my daiz」に対応した製品

イヤホンでの音声アシスタントやmy daizの利用法がわかったところで、その他にもmy daizに対応した製品があるのかを聞いてみた。

株式会社NTTドコモ プロダクト部 アクセサリー事業担当主査 小合瀬弘樹氏

編集部

ドコモセレクトの中で「my daiz」に対応した製品を紹介してください

小合瀬氏

まずは「ドコモ シンプルマイク01」です。お持ちのスマートフォンやタブレットと接続して使用するBluetoothマイクスピーカーです。スマホを手にしていなくても「my daiz」や「しゃべってコンシェル」などを通じてニュース、天気予報など、朝の準備や料理などの作業をしながら、話しかけるだけで情報を得ることができます。ハンズフリー通話もできます。

「ドコモ シンプルマイク01」(関連記事「NTTドコモの「my daiz」をシンプルマイクから使う方法」)

次に「ドコモテレビターミナル」です。ひかり回線につないで、ご自宅のテレビで専門チャンネルやお好みの映画、スポーツ中継やアニメなどドコモの全映像サービスが楽しめる機器です。スマホの「my daiz」アプリから操作ができるので「マイデイス、おすすめの映画見せて」「マイデイス、テレビつけて」といった音声コマンドで機器を操作できます。

また「スマート家電リモコンBT」という商品と「ドコモテレビターミナル」を組み合わせることで、音声でテレビ・エアコン・照明を操作できます。「my daiz」に対応し、除湿など日本の家電ならではのキーワードも使用可能です。外出先から温度・湿度を確認して、エアコンをコントロールすることもできます。

「スマート家電リモコンBT」

「スマート家電リモコンBT」と「ドコモテレビターミナル」を組み合わせた利用例

そして、ソニーのワイヤレスオープンイヤーヘッドセット「Xperia Ear Duo」や、1MOREブランドの完全ワイヤレスイヤホンの「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」もmy daiz対応の商品として取り扱っています。

武田氏

my daiz対応をうたっているイヤホンは、スマートフォンのmy daizアプリと連携して、my daizに音声で指示をしたり、その回答をイヤホンで聞くことができる製品です。スマホに「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」をBluetooth接続したうえで「my daiz」アプリを起動します。イヤホンを耳に装着したまま「マイデイズ、明日の大阪の天気は?」「マイデイズ、自宅周辺の交通情報を教えて」などを質問すると、my daizに音声で伝えることができ、my daizからの回答がイヤホンから聞こえるというしくみです。



音が途切れず安定して動作するイヤホン

編集部

「my daiz」対応の製品にはとても興味ありますが、既にいろいろと発売されているワイヤレスイヤホンの中で、ドコモセレクトとしては、どのようなコンセプトで「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」を選定したのでしょうか?

小合瀬氏

ドコモセレクトでは、スマホやタブレットと一緒に使って頂く製品をお客様が安心して選べることを重視しています。例えば、イヤホンについて言えばドコモは音響メーカーではないので、音質の善し悪しについては大半をメーカーさんにお任せすることになりますが、音が途切れたり、遅延するといったトラブルについてはきちん評価をした上で採用しています。実は1MOREブランドの”初期型”の完全ワイヤレスイヤホンについては音が途切れることがあるということで採用を見送った経緯があります。現在販売中のこの「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」については新開発のLDSアンテナを装備し、音が途切れることなく安定して利用できることを確認し、問題なくご使用頂ける製品になっています。現在、他社製品をご使用中で「音が途切れる」という悩みをお持ちの方にはお勧めの製品です。



なかなか仕様表に表れない性能がイヤホンの「安定性」だ。ワイヤレスの場合、特に音が途切れるというトラブルは意外に多い。通勤電車や新宿駅、渋谷のスクランブル交差点など、人口密集度が高い場所で顕著に表れる。初期型に比べてLDSアンテナによって接続の安定感が大幅に増した。LDSアンテナはイヤホンの広範囲に配線(配置)されている。


次にメーカーとしてフリーウェイ社にこの完全ワイヤレスイヤホンを含めて「1MORE」製品について聞いてみよう。


「1MORE」は世界的に有名なルカ氏によるチューニング

1MOREはワールドワイドで展開しているイヤホンのブランド製品で、日本の総代理店はフリーウェイ株式会社が行っている。

鈴木氏

1MORE製品はワールドワイドで展開していますが、国内用正規品のドコモセレクト用製品にはパッケージに「docomo select」のマークが貼ってあるとともに、パッケージ裏の説明や同梱のマニュアル類もドコモセレクト用の日本語表記で案内するなど、日本のユーザーに使いやすいように提供させて頂いています。操作時の言語はワールドワイド向けの英語となっています。

フリーウェイ株式会社 流通事業部 鈴木孝紀氏

マニュアルも日本語で説明がある

ドコモセレクトで扱っている1MORE製品は大きく分けて、従来からのスタンダードなケーブル付きの有線モデル、左右がケーブルで繋がったワイヤレスモデル「1MORE iBFree Sport」(Sport)、左右もワイヤレスで分離している完全ワイヤレス(これをTrue WirelessやFull Wireless、TWSと呼ぶ)の「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」(TWS)の3種類だ。

ドコモセレクトで扱っている1MORE製品群。奥がワイヤレスで防水の「iBFree Sport」、右手前が有線のモデル「Piston Fit」、左手前が完全ワイヤレス「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」

下の写真では、奥が左右がケーブルで繋がったワイヤレスモデル「1MORE iBFree Sport」で防水仕様(IPX6相当)。防水が欲しい、完全ワイヤレスは落とすのが心配という人にオススメの製品だ。カラーは赤と黒でドコモ直営店価格は6,820円に抑えた。連続音声再生時間は最大約8時間。


手前がmy daizに対応した「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」。価格は9,800円。連続音声再生時間は約6.5時間。コーデックには、MP3はもちろん、比較的高音質のAACやAptX等に対応している。

鈴木氏

「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」は比較的高音質と言われているAptXやAACにも対応しているので、音楽再生を高音質で楽しんでいただけると思っています。また、環境ノイズ除去機能を装備しています。ノイズキャンセリングとは読んでいませんが、大きな雑音を消してくれる機能なので、mydaizではスムーズな会話をやりとりを支援できると考えています。
「1MORE」製品全般に言えることですが、比較的廉価な製品でありながら、高い音質に定評があります。その理由のひとつにプロデューサー、ミキサー、サウンドエンジニアで世界的に知られているLuca Bignardi氏が1MORE製品開発の最終チューニングにあたっていることがあげられます。Luca Bignardi氏はミキサー部門でグラミー賞を4度受賞していて、音のバランスと再現性を重視した仕上がりに定評があります。実際に一度聴いて頂けると、音質の良さは実感して頂けると思います。



チタン振動版ダイナミックドライバー採用

「Stylish True Wireless In-Ear Headphones」では、ドライバーに7mmのチタン振動版ダイナミックドライバーを採用し、完全ワイヤレスとしての音質にこだわりを見せる。左右が繋がった「1MORE iBFree Sport」の10mmより小さいものの、大サイズのドライバーは小型化という面では逆効果となる。完全ワイヤレスでは小型化・軽量化は特に重要な要素だ。7mmで小型化を実現しつつ、バランスのよい最適な品質を狙ったという。


また、片側のイヤホンだけでも使用できるという特徴もある。片側のみ使用する場合でも、ステレオデータを受信してのステレオ再生となる。
製品には、サイズ違いのイヤーチップが4種類入っていて、ユーザーの耳穴のサイズ等に合わせてフィットしたものを装着できるようになっている。
電源を入れると起動時にはイヤホンから「1MORE」と「バッテリーハイ」(バッテリー残量の通知)と聞こえ、スマホ等とペアリングしたことを通知するメッセージがいずれも英語で流れる。

ボタンをタップして音楽再生や停止、スキップなどができる。前述のように、音楽再生していないときにダブルタップして、音声アシスタント(iPhoneの場合はSiri、Androidスマホの場合はGoogleアシスタントやmy daiz)が起動する。

来春にはmy daizに新機能「音声ナビゲーション機能」が追加され、移動時の便利さがアップする。その際に備えて、リーズナブルで高音質、そしてmy daiz対応の完全ワイヤレスイヤホンは検討しておきたいアイテムだ。



※「my daiz」は、株式会社NTTドコモの商標です。
※ドコモショップ店頭価格と異なる場合があります

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ロボスタ編集部

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