LINEアプリに話しかけてポイントをもらおう LINEがボイスコマンド普及に向けて始めた第一歩

LINE株式会社はベータ版機能としてLINE Labsにて提供している「音声検索・操作」機能の利用を開始するユーザーに向けてLINEポイントをプレゼントするキャンペーンの開始を発表した。
このキャンペーンは7月28日11:00から8月3日23:59までにLINE Labsの『音声検索・操作』を初めてONにしたユーザーが、1日1回以上、かつ、期間内に3日間の利用をすると、先着20万人までにLINEポイント10ポイントをプレゼントするというもの。


参加方法とその機能

このキャンペーンの参加方法とはどのようなものなのか紹介してみよう。

1. 『LINE』がVer 10.12 (それ以降)にアップデートされていることを確認し、2020年8月1日(土)までにLINE Labsの「音声検索・操作」をON。
LINEアプリにて、[ホーム]>[設定]>[LINE Labs]をタップし、「音声検索・操作」をONにする。(画像の赤い囲み)


2. 検索バー右端にあるマイクボタンをタップ


3. 1日1回以上且つ、期間内に3日以上LINEアプリに話しかける


音声検索で使える機能としては下記のようなものだ。
“コマンド一覧を見せて”
“LINE Payで支払う”
“楽曲検索をして”
など



当選確認の方法

このキャンペーンは先着20万人だが、先着人数が上限に達した場合も、期間終了まで結果は表示されない、などややシビアだ。
また、当選の確認方法もやや独特で、同音声検索機能での回答となっている。

念の為、こちらも、方法を提示しておこう。

1. 8月7日(金)13:00 ~ 8月14日(金)23:59の確認期間中に検索バー右端にあるマイクボタンをタップ(画像赤四角部)し、「キャンペーンの結果を教えて」と音声で確認する。


2. 当選した場合に限り、遷移先ページに結果が表示される。


なお、ポイント付与は8月中旬を予定している。
都合により多少の前後があるのでそこの関しては予め了承しておいてほしいということだ。




キャッシュレス決済の簡便化が狙いか?

LINEの音声検索には様々な機能があり、現在複雑化しているLINEのUIをショートカットして所望の機能を使うには非常に便利だ。
特に頻用しそうなのが、「LINE PAYで支払う」だろう。

ここ最近政府が推進しているキャッシュレス導入促進施策や、コロナ禍下での新しい生活様式のなかで、QR決済手段は非常に存在感を増してきている。
しかし、その中で、LINE PAYの存在感は、8400万人を超える圧倒的なユーザー数※、幅広い年齢層に見合うほどではない。※MAU(月間アクティブユーザー数)

高年齢層までバランスよく配分されているLINEユーザー層。なお、サービス名下部にあるように、ユーザー数は国内では圧倒的だ。

店舗からの広告、お知らせなどのメッセージングやチャットボットなどの活用による問い合わせなどのユーザビリティを考えると、もともとメッセンジャーアプリとして使い慣れており、立ち上げる頻度も高いLINEに優位性があるはずだ。
しかし、先ほど述べたように、LINEは多くの機能を持つため、決済に特化した他アプリに比べ、決済機能へのアクセスがどうしても悪くなってしまっていることが、優位点をうまく引き出せていないのではないかと、筆者は考えている。

今回キャンペーンを始めた音声入力で各種機能を呼び出す動線が一般化すると、奥深くにある機能であっても、一回で立ち上げることが出来、多機能であることのメリットだけが目立つようになるはずだ。
実際、従来方式であれば、「ウォレット」→「QRアイコン」と決済以外では全く使わない場所をツータップする必要があったLINE PAYも今回LINE Labから提供された音声検索機能により「LINE PAY」と一言よぶだけで決済機能を立ち上げることが出来るようになった。操作や情報の取得に関しても「マイクアイコンを押してコマンド」で統一しておけば、LINEの幅広いユーザー層、特に高齢者でも対応は容易になるだろう。

PAYPAY、楽天PAYなどの他の決済アプリはSiriや、Googleアシスタントに「『アプリ名』をひらいて」などとコマンドを出せば、立ち上げることが出来るのだから、ようやく同一ラインに立てたレベルだと言う人もいるかも知れないが、こちらは多用途を誇るLINEだ。
一瞬で決済が済むNFC系と違い、ユーザーとのタッチポイントの増加を重視するQR決済の中での比較をするならば、立ち上げている確率が高いアプリほど、広告としての価値も上がり、コラボする企業などもふえていく、優秀なプラットフォームになるのではないだろうか。
現状持っている機能や新たに実装していく機能が、コラボする企業のサービス等とどう連携して行くのか、決済まで含めたパワフルなサービス展開は非常に楽しみだ。

公式アカウントからの1日2回の無料情報発信や、「LINEチラシ」の店舗ページへのバナー掲載機能の無償提供などのコロナ対応施策を行ったとはいえ、非常に大きな魅力を持つ数字だ

とはいえ、今回のキャンペーンのLINE CLOVA公式ブログでの発信や、β版機能追加、3回の使用という、それなり以上に面倒な操作内容に対して10ポイント=5円、というリターン内容を考えてみると、「ポイントなどのキャンペーンにはあまり興味がない開発者層」への発信が目的だったのかもしれない。

しかし、現状がLINEの一般ユーザー層にとって刺さるボイスコマンドの利用方法や安定したサービスの展開は未だ模索中だったとしても、いずれ、一般層にも受け入れられるような機能、コンテンツが拡充したタイミングでは大規模なキャンペーンが実施されるだろう。
それに向けて今後も、LINE CLOVA公式ブログや、LINE Labでの新機能などを見て動向をチェックしてみると良いかもしれない。

なお、余談ではあるが、「xxアプリをひらいて」と会話調でスマホにはなしかけるのが気恥ずかしい自分としては、「LINE Pay」と機能名のみで決済機能を呼び出せるのはありがたかった。

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梅田 正人

大手電機メーカーで生産技術系エンジニアとして勤務後、メディアアーティストのもとでアシスタントワークを続け、プロダクトデザイナーとして独立。その後、アビダルマ株式会社にてデザイナー、コミュニティマネージャー、コンサルタントとして勤務。 ソフトバンクロボティクスでのPepper事業立ち上げ時からコミュニティマネジメント業務のサポートに携わる。今後は活動の範囲をIoT分野にも広げていくにあたりロボットスタートの業務にも合流する。

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