ロボットの動作をAIが模倣し推論モデルを生成 プログラミング知識不要で作業を自動化できる「AI模倣学習」 デンソーウェーブが開発

株式会社デンソーウェーブはデンソーロボットをAI(人工知能)でリアルタイムに制御する汎用ソフトウェア「AI模倣学習」を4月1日(木)から出荷開始することを発表した。

「AI模倣学習」はAIにロボット動作の手本を見せると、AIが手本を模倣して自律的に動き出すことを実現した汎用ソフトウェア。AIやコンピュータの専門知識を持たなくても、自動化したい作業内容を理解しているユーザーが簡単に利用できるように設計されている。価格はオープンで、業界や用途を問わず幅広い分野での導入を想定する。


AI模倣学習 開発の背景

近年、生産性向上や人手不足を背景にさまざまな分野で自動化やロボット導入が進んできたが、ロボットの制御や動作のプログラミングは専門知識が必要で、実際にロボットに行わせたい作業を理解しているだけでは導入や運用が難しい課題があった。加えて、ロボットを導入して自動化が進んだ場合でも、ロボットの動作が条件によって多様に変化する作業では、それぞれに応じたロボットの動きを設計する必要があり、膨大な量のプログラムが必要だった。

これらの課題を解決するため、デンソーウェーブは2017年に発表したマルチモーダルAIロボット以降、非定形作業をいかに簡単にロボットが実行できるか、商品化に向けて開発を進めてきたのが「AI模倣学習」。


AI模倣学習の特徴

「AI模倣学習」はロボットの動きと複数のセンサーの情報をAIが学習し、プログラミングでロボットを制御することが難しかった作業者の勘やコツなどの経験に頼った作業の再現を可能にするもの。構成はシンプルで1台の産業用パソコンで周辺機器からのデータの収集・学習・推論のすべてが完結するため、導入時の初期費用を低減できる。また、従来のAIシステムに多く見られた学習のための都度費用や回数の制限もなく、自由に推論モデルを構築できる。そのため専門のAIエンジニアに依頼しなくてもユーザー自らがPoCを実施し、トレーニングやスキルの習得が可能。


AI模倣学習の核となるAIは、米国・Google社出身のエンジニアが設立したAI企業のintegral AIが開発。
■「AI模倣学習」の特長
・使いやすいユーザーインターフェースを搭載し、トレーニングデータの取得や学習、推論をストレスなく操作できる。
・プログラムによるロボット動作生成とAIによる動作生成の組み合わせも可能。

さらに、安定した稼働のために同一のソフトウェアを使い続けたいFA業界と、常に最新のバージョンを提供するAI業界の差異を解消するため、毎年のバージョンアップによる最新AI技術の提供だけではなく、旧バージョンの長期提供やリリース後3年までのバグ対応など、導入時も使い続ける時も安心のサポートを提供し、ユーザーの使いやすさを追求する。


データ取得・学習・推論の実行方法

1.トレーニングデータ取得
模倣させたい動きをロボットにさせて、その時の「ロボットの動き」と「環境・状況変化」をトレーニングデータとして取得する。データの取得は各種センサーやカメラを使用する。




2.学習
集めたトレーニングデータから推論モデルを生成する。実行はUI画面のボタンを押すだけ。学習時間を短縮できるテスト学習モードや不要データの除去設定が可能。



3.推論
現在の環境・状況からAIが未来の動作を推論、動作命令を発行しロボットを動作させる。



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山田 航也
山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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