任天堂の開発室から生まれたSwitch用プログラミング学習ソフト「つくってわかるはじめてのゲームプログラミング」体験レビュー

「任天堂の開発室から生まれたプログラミングソフト。ゲームをあそぶのは楽しいけど、つくるのも楽しい。」

2021年6月11日(金)に任天堂から発売された任天堂Switch用のソフト「つくってわかるはじめてのゲームプログラミング」が話題になっている。5月最終週でAmazon予約数ランキングで既に一位を獲得する注目ぶりで、一部の量販店では売り切れる店舗も出ている。(冒頭の写真:任天堂Switch用のゲーム「つくってわかるはじめてのゲームプログラミング」パッケージ版(左)とパンフレット)

Nintendo公式では、パッケージ版 希望小売価格:3,480円(税込)。Amazonでのリンクはこちら

2020年から小学校でも「プログラミング教育」が必修となったことは既にご存じの人も多いだろう。その「プログラミング教育」分野向けのアプリに任天堂がゲーム感覚を織り交ぜて参入するもので、過去の『スーパーマリオメーカー』シリーズなどゲーム作成ソフトに続き、今作はプログラミング学習にメインフォーカスした商品となっている。

はじめの画面。可愛らしい「ノードン」というキャラクターたちがバックグランドに描かれている

■動画 はじめてゲームプログラミング 紹介映像


パッケージ版の内容

今回購入したパッケージ版の内容は次のとおり。「ノードンふりかえりカード」というのが同封されていて、カードを使ってレッスンを思い出せるようになっている。

今回購入したパッケージ版の内容。左から外箱、ゲーム(メモリカード)、「ノードンふりかえりカード」が同封されている

パッケージ版の他に、ダウンロード版も販売されているが、ダウンロード版はソフトだけの入手となる。その場合、任天堂オフィシャルサイトの「My Nintendo Store」でふりかえりカードは単品購入が可能となっている。
(税込500円, https://store-jp.nintendo.com/list/hardware-accessory/other-hardware-accessory/HAC_A_AWUXA.html)

可愛らしい「ノードン」たちが、ゲーム本体のパッケージにも描かれている。プログラミングの「ノード」のことだろうか。ノードンを繋いで(リンク)作成する最近のプログラミング形態が学習できる


楽しく学べる2つのモード構成

「つくってわかるはじめてのゲームプログラミング」は2つのモードで構成されている。ひとつは、画面上の可愛らしいキャラクターであるノードンたちを使ってプログラミングの基礎を学ぶことができる「ナビつきレッスン」。もうひとつはノードンたちを使って自分なりにゲームの作成に挑戦できる「フリープログラミング」だ。

今回は、「ナビつきレッスン」をやってみた。

ゲームのチュートリアルが始まってすぐに、りんごを取るゲームが始まる(下画面)。ジャンプして登る階段の先にリンゴがあって、それをとりたいのだが、Bボタンを押してもキャラクターはジャンプをすることができない。


そこで画面上で「ノードンガレージ」(ゲームのうらがわ)に移動して、「ノードン」と「ヒトのキャラクター」をドラッグ&ドロップしたり、それらのリンクをつなげることで、画面の中のキャラクターを動かすプログラミングの基礎が理解できるようになる。言わば作りかけのゲームを完成させていくことで、ゲームはどうやってプログラミングしているのか、手順としくみを学ぶことができる。


ノードンは、プログラミング作成のための機能「Function」をキャラクター化したものとなっている。それぞれの役割を担うノードンたち(「出力」「入力」のノードンや、キャラクターなど)を繋げていくことでゲームが作成できる。

プログミングを進行していく間には、たくさんの褒め言葉や、音、可愛らしいキャラクターなど、「次に進みたい!」と思える要素が散りばめられている。
チュートリアルを画面タッチで終えた後には、「パズル」をクリアすることで、チェックポイントとして学んだことを復習することができるようになっている。


ナビつきレッスンは、全部で7つあり、それぞれ決められたゲームの作り方を学んでいくことで、基本的なノードンの使い方を覚えることができる。



楽しみながらゲーム・プログラミングのしくみが学べる

ゲームの最中も、ボブとアリスというカーソルのようなキャラクターや、ノードンたちがプレイヤーを褒めちぎってくれるため、プログラミングは難しく手を出しづらいと思っている大人や、好奇心の旺盛な子供たちも楽しくプレイしながら学ぶことができるようになっている。

完成したゲームは、Nintendo Onlineを通じてインターネット上にシェアすることも可能なため、自身の作成したゲームを公開することもできる。他の人が作ったゲームで遊んでみるのも楽しい。
海外では「Game Builder Garage」という名で販売が開始され、大人の子供もビジュアルゲームプログラミング言語を学べるとして注目を集めている。ビジュアルプログラミング言語の代表的なものには、マサチューセッツ工科大学メディアラボがScratch財団と共同開発した「スクラッチ」があるが、これらはドラッグ&ドロップとリンクの操作が中心で、キーボード入力に慣れていない子供たちでもプログラミングの基礎を学ぶことができるものとして主流のひとつになりつつある。

「はじめてのゲームプログラミング」も同様に、ノードンをつなげていくことで、プログラミングが理解できるような教育ツール。更にはボタンやスティックの操作で、どうして画面内のキャラクターを動かすことができるのかや、アクションであるジャンプや前後移動などのしくみも知ることができる。
そして、自分でプログラムしたものをすぐに動かすことができ、編集、実行を簡単に行うことができる。
任天堂の開発部から生まれた今回のゲーム、プログラミングを始めてみたい人、既存のゲームを再現するためにフリープログラミングを通じて挑戦する人など、想定される用途はさまざま。任天堂という安心感もあり、ゲーム機本体を持っていれば、アプリの価格もリーズナブルだ。子どもも大人も楽しく「ゲームのプログラミング」体験ができる、オススメの一本になっている。

(執筆:Ayuka Alyson Kozaki)

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム