スマートロックの活用で自動搬送ロボットの移動をサポート ビットキーがQBIT Roboticsの実証実験に技術協力

株式会社ビットキーは株式会社QBIT Roboticsが行った「異種複数台の自動搬送ロボットとロボットアームを用いた館内配送集荷サービス」の実証実験にて、スマートロックおよびコネクトプラットフォームworkhubを通じて、自動搬送ロボット通行時のセキュリティ付自動ドア認証に技術協力したことを発表した。なお、ビットキーの技術が自動搬送ロボットと連携するのは今回が初の試みとなる。


スマートロックの活用で施設内をスムーズに移動

都心部のオフィスビルや地方のショッピングセンターなどの大規模施設では、従来からの物流現場の課題である慢性的な人手不足の解消に加え、コロナ禍において、非対面・非接触での荷物の配送が感染リスクを低減することから、今後ますます館内配送・集荷を自動化できる自動搬送ロボットのニーズが高まると予想されている。しかし、オフィスビルには一般的に、入退館のたびに認証が必要なセキュリティ付自動ドアやゲートが設置されており、自動搬送ロボットがスムーズに移動するための経路設計や認証方法が課題となっている。今回、セキュリティ付自動ドア前での自動搬送ロボット認証を可能にすることで、これらの課題を解決するため、実験を実施した。

実験ではビルの荷捌き場から各テナントの入居階までエレベーターを使用して自動搬送ロボットが移動し、集荷・配送を行った。自動搬送ロボットとビットキーのスマートロックやworkhubが連携し、ビル内に存在する複数のセキュリティ付自動ドアを解錠している。実験は2021年6月2日~7月2日の期間、城山トラストタワー(東京都港区虎ノ門4-3-1)にて実施した。

荷捌き場から館内へ移動

館内のセキュリティ付自動ドア前

エレベーターホールのセキュリティ付自動ドア前

実験の流れ
1.自動搬送ロボットがセキュリティ付自動ドア前にてworkhubへ解錠リクエストを送信
2.workhubがセキュリティ付自動ドアと連携したbitlock GATEへ、ネットワーク中継機のbitlink経由で解錠リクエストを送信
3.bitlock GATEがリクエストと解錠権限を照合し、ドアを解錠。ドアが開き、自動搬送ロボットが通過

bitlock GATEについて
ビットキーが開発する電子制御ドア向けのスマートロック。スマートフォンアプリから扉の鍵を簡単に開閉可能。居住者が不在の場合でも、「人・時間・回数」などの制限付きデジタルキーを発行することで、配達員や、家事代行スタッフなどがスマホでオートロックのエントランスの鍵を開けることができる。

【実験に関するコメント】
株式会社QBIT Robotics 常務執行役員CTO 広屋 修一氏

QBIT Roboticsでは、人と協働する様々なロボットを活用した各種サービスの企画・開発を行っています。今回取り組んだ大規模なビル内での荷物の自動配送・集荷サービスでは、自動搬送ロボットにセキュリティ付自動ドアをいかに通過させるかという課題がありました。本実験では、ビットキーが提供するスマートロック技術をロボットからでも容易に利用できるインターフェースを提供いただくことで、この課題を解決することができました。


今後の展開

今後は実験で得られた課題を解消し、2021年中にセキュリティ付自動ドアも通過可能な館内配送集荷サービスとして、両社協力の上、ビルへの提供を進める予定。ビットキーは今後も、workhubやスマートロックを活用し、新しい価値の創出を進めていく。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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