「朝日新聞ポッドキャスト」累計1000万ダウンロードを突破 番組数は8番組まで拡大

株式会社朝日新聞社は昨年8月にポッドキャストサービスへの配信を始めた「朝日新聞ポッドキャスト」が2021年10月4日に累計1000万ダウンロードを突破したことを発表した。


1年2カ月で1000万DLを達成

朝日新聞ポッドキャストは、従来の文字ニュースの枠を超え、音声でファクトに迫るサービス。配信開始から再生数(DL数)を伸ばし続け、1年2カ月で1000万DLを達成。月間DL数は150万を超えるまでに成長した。


朝日新聞ポッドキャストは2020年8月、「朝日新聞 ニュースの現場から」「朝日新聞 ニュース深掘り」「音でよみがえる甲子園」の3番組で始まった。基幹番組「ニュースの現場から」は同年12月、Apple Podcastの「2020年を代表する番組」に選ばれたほか、「JAPAN PODCAST AWARDS 2020」の大賞部門にノミネート(ノミネートは1009作品中10作品)。また、2021年5月にはApple Podcastsの日別ランキング1位にもなっている。

その一方で、新たに「就活ポッドキャスト 朝日新聞 ニュースの使い方」、「朝日新聞アルキキ」「朝日新聞AJW英語ニュース」の配信を開始。2021年9月には「犬猫だらけの夜 -sippo channel-」と「好書好日 本好きの昼休み」の2番組が始まり、計8番組になっている。

さらに、2021年9月27日には「ニュース深掘り」を「MEDIA TALK」に改題。新聞やメディアのいまと未来について、じっくり言葉を交わして考えるポッドキャストへと衣替えした。新聞社の仕事の裏側に迫る「楽屋裏」、番組作りのあり方を考える「制作会議」などの企画を通じ、さまざまな視点でメディアについてリスナーとともに考える双方向性の高さを特徴としている。


記者本人が取材の実際を語り尽くす

記者本人が取材の実際を語り尽くす。放送時間に限りがある既存のラジオ・テレビとは異なる、新たな報道の姿が支持を広げた。注目を集めた主な番組を紹介。


2021年の新聞協会賞に選ばれたスクープの舞台裏を、一連の報道を手がけた峯村健司編集委員が語る。LINE利用者の個人情報に、中国からアクセスが可能になっている。中国政府の情報収集に使われる可能性がある。この問題を指摘されたLINE幹部は当初、事態を把握していなかったという。その後開かれた記者会見に一番乗りで会場入りした峯村編集委員に、LINE側が取った対応とは……。

#383 LINE問題の核心は、中国の「国家情報法」だ 峯村健司編集委員に聞く(前編)(2021年10月6日配信)
https://omny.fm/shows/asahi/line

#384 戻らない個人情報、LINEが欠いたガバナンス 峯村健司編集委員に聞く(後編)(2021年10月6日配信)
https://omny.fm/shows/asahi/374-line


2019年12月、アフガニスタンの発展に身を捧げたNGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲さんが凶弾に倒れた。「殺してしまったと話している男がいる」という情報を得たアジア総局の乗京真知記者が取材を進めると、アフガニスタン当局もこの男を主犯格として特定していたことが浮かび上がる。なぜ動かないのか。背後に見えてきたのは、国家間の対立という大きな問題だった。そして、衝撃の一報が届く。

#271 中村哲さん「殺してしまった」 容疑者を追い詰めた執念の取材(2021年6月14日配信)
https://omny.fm/shows/asahi/266

#272 アフガニスタン、沈黙の裏事情 中村哲さん殺害の主犯格はマークされていた(2021年6月15日配信)
https://omny.fm/shows/asahi/267


夕刻、大阪・豊中支局にかかってきた1本の電話がすべての始まりだった。財務省による公文書改ざんを明らかにした調査報道は、どのように行われたのか。取材のとりまとめ役を務めた羽根和人記者(収録時は大阪社会部長)が語った。全3回、計1時間半に及ぶ長編。

#235 森友問題、きっかけは1本の電話 いま明かす調査報道の舞台裏(2021年5月3日配信)
https://omny.fm/shows/asahi/235-1

#236 記者たちも驚いた、まさか財務省が 改ざんが明らかになるまで(2021年5月4日配信)
https://omny.fm/shows/asahi/236-1

#237 「不愉快だから帰れ」 記者の直撃、財務省幹部は色をなした(2021年5月5日配信)
https://omny.fm/shows/asahi/237-1



個性豊かな番組が次々と登場

チーフ・パーソナリティを務める神田大介氏のほかに、番組を進行するパーソナリティは現時点で男女5人ずつ、20代から50代までの計10人。朝日新聞ポッドキャストではこのパーソナリティが番組制作のディレクターや構成作家、誰をゲストに呼ぶかといったプロデューサーとしての役割を兼ねている。政治取材経験の長い秋山訓子編集委員がパーソナリティを務める番組では、自民、公明、立憲民主、国民民主、共産各党の女性国会議員にインタビュー。さまざまな政治課題に加え、女性政治家はなぜ増えないのかを直接聞いている。また、政治家や官僚のつくる政策に影響力のあるNPOの代表らを招いた番組も制作している。


ほかにもパーソナリティの興味対象や取材分野に基づき、「お坊さんに聞け」「ディープ日本史」「麗しのタカラヅカ」「朝日新聞デジタル・withnews編集長対談」など個性豊かな番組が次々と生まれ、朝日新聞ポッドキャストだけの特徴となっている。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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