人型協働ロボット「Foodly」卓上組合せはかりで食材を計量する作業を自動化 「自動計量供給システム」アールティと大和製衡が開発

ロボットのいるくらしの実現を掲げる株式会社アールティは稼働時に人手を必要とする卓上組合せはかりを使った計量作業を自動化するため、1920年創業のはかりメーカー 大和製衡株式会社と共に人型協働ロボット「Foodly」と自動排出機構付卓上組合せはかり「TSD-N3」を連携させた自動計量供給システムを開発したことを発表した。


開発の背景

汎用品から産業用まで幅広く展開する計量機メーカーである大和製衡は、食品の定量詰め作業などに向けた製品として、自動排出機構(ベルトコンベア)付の卓上組合せはかり「TSD-N3」(ティーエスディー・ニュースリー)を開発、販売している。円形タイプなどの全自動の組合せはかりに比べて省スペースで多様な食材や組み合わせに対応できるメリットがある一方で、食材の投入は人の手で行う必要がある。

食品工場で人手不足解消や単純労働の省人化が求められる中、卓上組合せはかりのメリットはそのままに投入作業の自動化を可能にするため、サービスロボットからのアプローチで食品工場のロボット導入・自動化に取り組むアールティと大和製衡がタッグを組み、人ひとり分のスペースで稼働し既存の機械との連携実績もある人型協働ロボット「Foodly」(フードリー)を用いて、自動計量供給システムの開発プロジェクトを共同で開始した。

自動計量供給システム TSD-N3×Foodly

TSD-N3への食材投入作業をFoodlyが人の代わりに行い、食材の組合せ計量作業を自動化するシステム。Foodlyは専用に開発した「Foodly TSD-N3モデル」を使用する。TSD-N3は既存の本体に簡易なカスタマイズを施すことで同システムに対応できるため、既にTSD-N3を導入している現場にFoodlyのみを導入して自動化することも可能。


TSD-N3とFoodlyはどちらもキャスターで簡単に移動させることができ、システム全体も省スペース。導入にあたり足場や照明などの大がかりな工事も必要ない。ユーザビリティを考慮しコンセプトが合致する2製品が連携することにより、よりユーザ目線に寄り添った実用的なコラボレーションが実現した。対応している食材など、システムの詳細は2022年2月15日(火)から18日(金)まで東京ビッグサイトで開催される「JAPAN PACK 2022」(日本包装産業展)会期中、大和製衡ブース(ブース番号:W2-B01)にて公開予定。デモ機によるデモンストレーション展示も行う。


自動排出機構付卓上データウェイ TSD-N3シリーズ

食品の定量計量作業に最適なコンパクトな組合せはかり。キャスター標準装備により、移動や収納時の機器搬送を楽に行うことができる。14個の載せ台に被計量物を載せるだけで瞬時に目標重量値に最も近い組合せを選択し、排出する。人手による合わせ込み作業が不要のため、商品が傷みにくくなる。また、載せ台とコンベヤの高低差が少ないため、割れ・欠けが気になるものにも使用可能。様々な商品に対応したオプションも幅広く用意している。計量・搬送コンベヤおよびコンベヤベルトは工具レスで脱着可能で、器物の丸洗いが可能。防塵・防水等級はIP67(指示計のみIP65)。


人型協働ロボット「Foodly」

AIビジョンシステムによりばら積みの食材をひとつひとつ認識してピッキングし、ベルトコンベアのラインで人の隣に並んで働くことができる人型協働ロボット。人ひとり分のスペースで稼働し、安全柵や工事なしで導入することができる。2021年より標準構成モデルを正式発売し、食品メーカーでの試験導入を進めている。日本惣菜協会が主導する経済産業省のプロジェクト「令和3年度 革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」でも採用されている。同年3月には海苔巻きロボットと連携してセル生産方式で海苔巻きを製造する新たなコンセプトモデルを発表するなど、ライン生産以外にも活用の幅を広げている。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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