「COMPUTEX 2022」で「NVIDIA Jetson Orin」搭載のエッジ AI や組み込みシステムを紹介 日本語字幕の基調講演動画も公開

NVIDIAは、世界中の30を超える大手テクノロジ パートナーが5月24日から27日まで台北で開催しているCOMPUTEX 2022にて、「NVIDIA Jetson AGX Orin」を搭載した量産システムの第一陣を発表した。

エッジAI、AIoT、ロボティクスおよび組み込みアプリケーションで使用するための新製品は、台湾を拠点とする多数のカメラやセンサー、およびハードウェアのプロバイダーから発売される予定だ。

NVIDIA の組み込みおよびエッジ コンピューティングのバイス プレジデントであるDeepu Talla氏は次のように述べている。

NVIDIA Embedded & Edge Computing Vice President Deepu Talla氏

新しい Jetson AGX Orin は、次世代のロボティクスやエッジ AI アプリケーションの基盤となっています。NVIDIAのエコシステム パートナーが Jetson Orin ベースの量産システムを、特定の業界やユース ケース向けに作られたさまざまなフォーム ファクターでリリースするため、この勢いは加速し続けるでしょう。




NVIDIA Jetson AGX Orin

3月に開催されたGTCから世界中で利用可能になった、NVIDIA Jetson AGX Orin 開発者キットは、前世代製品である NVIDIA AGX Xavier と同じピン互換フォーム ファクターで8倍の処理能力となる最大275TOPSを実現。Jetson Orin は、NVIDIA AmpereアーキテクチャGPU、Arm Cortex-A78AE CPU、次世代のディープラーニング アクセラレータおよびビジョン アクセラレータ、高速インターフェイス、より高速なメモリ帯域幅、および複数の並列AIアプリケーション パイプラインへのフィードが可能なマルチモーダル センサーを備えている。

エッジAIに対してサーバークラスのパフォーマンスを実現する新しい Jetson AGX Orin 量産モジュールは7月に、またOrin NX モジュールは9月に提供が開始される予定だ。

■【動画】NVIDIA Jetson AGX Orin: Next-level AI Performance for Next-Gen Robotics(英語)



強固な製品およびパートナー エコシステム

今回発表された Jetson ベースの製品は、サーバー、エッジ アプライアンス、産業用 PC、キャリア ボード、AI ソフトウェアなど多岐にわたる。ファンあり構成およびファンレス構成で、複数の接続およびインターフェイス オプションとともに提供される他、ロボティクスや製造、小売、輸送、スマート シティ、ヘルスケア、およびその他の重要な経済分野の商用または高耐久性アプリケーション用の仕様も含まれる。


製品をリリースするNVIDIA パートナー ネットワークメンバー

【台湾拠点】AAEON、Adlink、Advantech、Aetina、AIMobile、Appropho、AverMedia、Axiomtek、EverFocus、Neousys、Onyx、Vecow

【その他】Auvidea、Basler AG、Connect Tech、D3 Engineering、Diamond Systems、e-Con Systems、Forecr、Framos、Infineon、ITANZI、Leetop、Leopard Imaging、MiiVii、Quectel、RidgeRun、Sequitur、Silex、SmartCow、Stereolabs、Syslogic、Realtimes、Telit、TZTEK を始めとする世界各国の多数の NVIDIA パートナーが、新しい Jetson Orin ベースのソリューションを提供している。


100万人以上のJetson開発者

現在、100万人以上の開発者と6,000以上の企業が、NVIDIA Jetson エッジ AI およびロボティクス コンピューティング プラットフォーム上で商用製品を構築し、自律動作マシンおよびエッジ AI アプリケーションを製造、展開している。また、150以上のメンバー企業を抱え、成長し続けるJetsonのパートナー エコシステムは、AI ソフトウェア、ハードウェア、およびアプリケーションの設計サービス、カメラ、センサー、および周辺機器、開発者ツールおよび開発システムなど、広範なサポートを提供しており、Jetson AGX Xavier を搭載した AAEON BOXER-8240 は今年、COMPUTEX 2022 Best Choice Golden Award を受賞している。
開発者は生産モジュール上でのシームレスな展開のために、Jetson AGX Orin 開発者キット上で次世代アプリケーションを構築。Jetson AGX Orin のユーザーは、クラウドネイティブな開発ワークフローなどのアプリケーションの開発と最適化のために NVIDIA JetPack SDK、NVIDIA CUDA-X アクセラレーテッド コンピューティング スタック、および最新の NVIDIA のツールを活用することが可能だ。


包括的なソフトウェアのサポート

Jetson Orin は、開発者が自然言語理解、3D 認識、マルチセンサー フュージョンなどの分野でのエッジ AI とロボティクスの課題を解決するために必要な最も複雑で最大規模のモデルを展開することを可能にする。TIRIAS Research の主席アナリストであるJim McGregor氏は以下のように述べている。

TIRIAS Research 主席アナリスト Jim McGregor氏

「NVIDIA は AI の分野で認められたリーダーです。共通のツールやニューラルネットワーク モデルを活用する多様なハードウェア プラットフォームを始めとする、強固なエコシステムと完全なエンドツーエンドのソリューションを通してロボティクスを進歩させるために、AIにおける知見を活用し続けています。」
「新しい Jetson プラットフォームは NVIDIA Ampere アーキテクチャのパフォーマンスと多用途性を活用して、農業や製造からヘルスケアやスマート シティまでの広範なアプリケーションに対する自律動作型のモバイル ロボットのさらなる進歩を可能にします。」



NVIDIA NGCカタログから入手可能な事前トレーニング済みモデルは最適化されており、NVIDIA TAO ツールキットと顧客のデータセットでのファインチューニングが可能だ。これにより、生産品質の AI 展開にかかる時間とコストを削減。また、クラウドネイティブなテクノロジにより、製品の生涯を通してシームレスにアップデートができる。特定のユース ケースのためのソフトウェア プラットフォームには、ロボティクス用の Omniverse 上の NVIDIA Isaac Sim、音声 AI アプリケーションを構築するための GPU アクセラレーテッド SDK である Riva、AI ベースのマルチセンサー処理、動画、音声、および画像理解用のストリーミング分析ツールキットである DeepStream に加え、映像データと AI を統合し、幅広い産業で運用を効率化して安全性を高める、アプリケーション フレームワーク、一連の開発者ツール、およびパートナー エコシステムである Metropolis も含まれている。



COMPUTEXでのNVIDIA基調講演

日本時間で5月24日(火)の正午に配信されたNVIDIAのCOMPUTEXでの基調講演は、日本語字幕付きでリプレイが視聴可能となっている。

■【動画】NVIDIA Keynote at COMPUTEX 2022(日本語字幕あり)

COMPUTEX2022(TAIPEI) 日本語ページ:
https://www.nvidia.com/ja-jp/events/computex/
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