NVIDIA 従来コンピュータと量子コンピュータをハイブリッドで活用するプラットフォーム「QODA」を発表 コラボ組織も多数発表

NVIDIA は7月12日、従来コンピュータと量子コンピュータをハイブリッドで活用する統合コンピューティング プラットフォーム(NVIDIA Quantum Optimized Device Architecture)を発表した。略称は「QODA」。
従来の高速コンピュータ(スーパーコンピュータ)と量子コンピュータをハイブリッドで活用できるため、同社は「AI、HPC、ヘルスケア、金融およびその他の領域の量子研究開発でのブレイクスルーを加速する」としている。
実際、現状では(数年先まで)従来コンピュータと量子コンピュータの双方にメリットがあり、適宜ハイブリッドで組み合わせて使用し、社会実装することが現実的であり、多くのエンジニアがその環境を手軽に利用できるようにすることが最も大切だ。


従来コンピュータと量子コンピュータをハイブリッドで活用

「QODA」は、波動が互いに干渉しあう「量子古典ハイブリッド プログラミング モデル」を構築することで、量子コンピューティングをより利用しやすくすることを目的としている。
QODA は、現代の最もパワフルなコンピューターと量子プロセッサのためのオープンかつ統合された環境で、科学での生産性向上、および、より大規模なスケールの量子研究を可能にすると期待されている。

HPC および AI の専門家は「現在の量子プロセッサだけでなく、NVIDIA DGX システムおよび、スーパーコンピューティングセンターやパブリッククラウドで利用可能な多数の NVIDIA GPU のインストールベースを用いた将来の量子マシンのシミュレーションを活用し、「QUDA」を使って既存のアプリケーションに簡単に量子コンピューティングを追加することが可能になる」としている。

■動画(英語)
NVIDIA Special Address at Q2B: Defining the Quantum Accelerated Supercomputing Platform

(QODAとCUDAの発音が似ているため注意:動画の自動字幕もCUDAと誤認識している)

NVIDIA の HPC および量子コンピューティング製品担当ディレクターであるティム コスタ (Tim Costa)氏 は、次のように語る。
「古典的なコンピューティングと量子コンピューティングを組み合わせたハイブリッド ソリューションによって、科学的ブレイクスルーが近いうちに起こる可能性があります。QODA は、パワフルで生産的なプログラミング モデルを開発者に提供することで、量子コンピューティングに革命をもたらすでしょう」

量子を研究している主要な組織は、すでに NVIDIA GPU と高度に最適化されたNVIDIAソフトウェアであるNVIDIA cuQuantum (https://developer.nvidia.com/cuquantum-sdk ) を使用して、個々の量子回路を開発しています。QODA を活用することで、開発者は完全な量子アプリケーションを構築し、GPU アクセラレーテッド スーパーコンピュータ上で NVIDIA cuQuantum を使ってシミュレーションすることができます。

本日、東京で開催される Q2B カンファレンスにおいて、NVIDIA は量子ハードウェア プロバイダーの IQM Quantum Computers、Pasqal、Quantinuum、Quantum Brillianceおよび Xanadu、ソフトウェア プロバイダーの QC Ware および Zapata Computing、ならびにスーパーコンピューティング センターのユーリヒ総合研究機構、ローレンス バークレー国立研究所および、オークリッジ国立研究所との QODA を通じたコラボレーションを発表した。

Quantinuum のチーフ エンジニアであるアレックス チェルノグゾフ (Alex Chernoguzov) 氏は、次のようにコメントを寄せた。
「Quantinuum と NVIDIA の提携によって、Honeywell のテクノロジを活用した、Quantinuum の H シリーズ量子プロセッサのユーザーは、QODA を使って、次世代の量子古典ハイブリッド アプリケーションのプログラミングと開発ができるようになります。今回の提携により、最高の性能を持つ古典コンピューターと当社のワールドクラスの量子プロセッサが結びつくようになります」

また、Zapata の最高技術責任者であるユドン カオ (Yudong Cao) 氏は、次のように話している。
「NVIDIA が開発した、量子古典ハイブリッド機能により、HPC 開発者は、統合環境で量子リソースおよび古典リソースをより効率的な方法でプログラムできるようになり、既存のアプリケーションを加速できるようになります。科学、創薬、材料科学などで近い将来に登場するアプリケーションが量子コンピューティングとシームレスに統合されるようになると、実用的な量子の可能性が進むにつれて、これらの分野で新たな発見が続々ともたらされるようになるでしょう」


関連サイト
NVIDIA QODA公式

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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