東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)と株式会社NTTドコモは、東京湾アクアラインおよび、 関越自動車道でこれまで実施してきた「AI渋滞予知」について、2022年7月28日(木)から新たに京葉道路でも実証実験を開始したことを発表した。
さらに、人口統計データの作成からAIによる予測、予測情報の配信までを高速化する技術により、同日から予測の配信時刻を14時から13時に1時間前倒しし、午後の予定をより早く計画できるようサービス向上をはかる。
「AI渋滞予知」とは?
ドコモが持つ携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成されるリアルタイム版モバイル空間統計と、NEXCO東日本が保有する過去の交通量・渋滞・規制などの実績データをもとにドコモが開発した「AI 渋滞予知」技術、さらに NEXCO東日本の交通工学的知見・ノウハウを掛け合わせることで、当日の人出から所要時間や交通需要を予測し、ドライバーに配信。
「AI渋滞予知」は、約9割のユーザーが高評価しているという。
対象が京葉道路である理由
京葉道路は、東京都心と千葉県を結ぶ重交通路線であり、NEXCO東日本管内でも渋滞が多く発生する路線の一つ。
特徴1 平日と休日で利用者特性が異なるため渋滞発生状況が複雑に変化する
平日・・・通勤・業務目的のご利用が多い
休日・・・レジャー・観光目的のご利用が多い
特徴2 インターチェンジの間隔が短く、一般道との流出入が頻繁に発生する
特徴3 東関東自動車道や千葉東金道路といった同じ千葉県内の他路線からの流出入がある
NEXCO 東日本とドコモは、AI技術を使って渋滞予測の精度を高め、ユーザーの渋滞回避に役立てて欲しいと考え、京葉道路への「AI渋滞予知」の拡張を検討してきた。今回、アクアラインや関越道で提供している「AI渋滞予知」の技術を拡張し、より細かく人口統計の増減を分析することなどにより、このような複雑な条件下においても交通需要を予測する技術を新たに確立することに成功したため、京葉道路に「AI渋滞予知」を導入することを実現した。
なお、京葉道路の「AI 渋滞予知」では上り線の「蘇我 IC~篠崎 IC」が対象となる。
今回の実証実験に先立ち、京葉道路蘇我IC から篠崎IC までの過去979日分の交通状況について、予測による所要時間と実際の走行時間を比較したところ、30分以上の誤差となった日数は、「従来予測」の115日(11.7%)に対して、「AI 渋滞予知」では14日(1.4%)となり、大幅な精度向上(30分以上の誤差となった日数の減)が確認できたという。
配信時刻の 1 時間前倒し
ユーザーが午後の予定をより早く計画できるよう、ドコモが新たに開発した「リアルタイム AI 社会基盤技術」により、人口統計データの作成からAIによる予測、および予測情報の配信までを高速化することで、予測の配信時刻を1時間前倒しする。
利用するユーザーは、「AI 渋滞予知」の予測情報を参考に、出発時間の調整や立ち寄り場所の追加など、分散利用による渋滞回避への協力を推奨している。
いままで
14 時に当日 14 時以降の 30 分ごとの予測情報を配信
【提供路線】アクアライン、関越道
これから
13 時に当日 14 時以降の 30 分ごとの予測情報を配信
【提供路線】アクアライン、関越道、京葉道路
AI渋滞予知の使い方
下の二次元バーコードからアクセスするか、NEXCO東日本のWeb サイト「ドラぷら」のトップページよりバナーをクリックして利用できる。
下記のURLも参照。
【NEXCO 東日本|NTT ドコモ】AI 渋滞予知
https://www.driveplaza.com/area/kanto/traffic/ai_traffic_prediction.html
NEXCO 東日本グループでは、2021~2025年までの期間を「SDGs の達成に貢献し、新たな未来社会に向け変革していく期間」と位置づけている。また、ドコモは新ドコモグループ中期戦略の中で、パートナーと共に新たな価値の創出に取り組むとしている。
両社は今後も「AI渋滞予知」のさらなる活用を検討し、交通課題の解決に取り組む考えだ。