折板屋根をかしめる電動ロボット「シーミングＫ²」建ロボテックが開発　折板の端面まで来ると走行停止

「世界一ひとにやさしい現場を創る」をミッションに建設現場の省力化・省人化を実現するロボットソリューションを提供する建ロボテック株式会社は、鉄鋼・建設業界をフィールドに製造・加工・施工まで快適な住環境を提供する株式会社協和より開発委託を受けて、屋根工事において折板屋根の鉸め作業に使用する電動ロボット「シーミングＫ²」を開発したことを発表した。

屋根の強度が必要な施設に使用される「折板屋根」

折板(せっぱん)は金属素材の屋根を仕上げるための工法であり、折板屋根は鋼板を大きな波型に成形している断面がギザギザになっているもの。鋼板をギザギザに折り曲げることにより、屋根材の強度が増して大きな屋根・長い屋根を作ることが可能。折板屋根は現場で成型しながら施工することが可能なため、体育館や工場、倉庫、平屋の店舗、コンビニなど大型施設や屋根の強度が必要な施設に使用される。

電動鉸め機は梁の上に固定されたタイトフレームと2枚の金属屋根材の端部を金具と共に巻き込んで鉸める機械になる。こうすることでボルト等が不要になり、防水性に優れた屋根となる。

折板屋根を鉸める電動ロボット「シーミングＫ²」

これまでの電動鉸め機は重く稼働スピードも遅いため、屋根工事において折板を接合する作業に時間がかかることや、機体の持ち運びが容易でないことから職人に負担がかかっていた。そこで建ロボテックは既存の電動鉸め機よりも重量・周速等の機能性を向上させ、既存機にはなかった安全機能を追加した「シーミングＫ²」を開発した。


比較対象となる従来の電動鉸め機では重量約45kg・周速230mm/sのところ、「シーミングＫ²」は重量約29.5kg・周速350mm/sと機能性が良くなった。従来の電動鉸め機は１つのモーターで屋根上を動くための搬送ローラーと、屋根材と金具を巻き込んで締めるためのカシメローラーの2つのローラーを動かしていたが、ギアを多く必要とするためコストと重さがかかっていた。そのため、「シーミングＫ²」ではモーターを2つ搭載させ、それぞれのローラーを動かすモーターを独立させることでギア数を少なくし軽量化を可能にした。

さらに機体が折板の端面まで来ると端面を検知し、検知時に走行停止とブレーキがONになる安全装置を追加した。これまでの既存機にはなかった新しい機能で、折板から機体が落ちるという危険性を大幅に軽減した。「シーミングＫ²」は協和の商圏エリア(東北・関東・信州)に限らず、協和とアライアンスを組んだ5社が近畿・北陸・四国・北九州・南九州エリアで取り扱う。

各社のコメント

■建ロボテック株式会社　代表取締役CEO眞部達也　氏のコメント

■株式会社協和　代表取締役社長河崎東美彦　氏のコメント

この記事を読んだ人におすすめ

関連する記事はまだありません