「GTC 2022」Jetson/自律マシン、AIビジョン関連で注目のセッション5選 AIとGPUの世界最大級のイベントは9月19日から

秋の「NVIDIA GTC 2022」が9月19日~22日にオンラインで開催される。
今回はその「GTC 2022」で予定されている膨大なセッションの中から、「Jetson」や「エッジAI」、「AIビジョン」に関するセッション(無料)の一部を紹介しよう。

なお、「GTC 2022」のキーノート、NVIDIA創業者/CEOのジェンスン・フアン氏の講演は9月20日の深夜24時(9月21日の0時)から行われる(無料)。日本語字幕も用意されるので、まずはこれを確実にチェックしておきたい。

GTC 2022」のキーノート、ジェンスン・フアン氏の講演は9月20日の深夜24時スタート(無料)


注目のJetson、自律マシン関連セッション

各セッションに参加するには、参加登録が必要になる。既に参加登録は受付中、登録無料なので、事前に登録しておこう。事前に登録しておくと、下記のセッションは終了後にオンデマンド視聴が可能になるので、昼間など任意の時間に視聴できる。



エッジAIとロボティクスの次の波 (A41201)

世界は急速に変化している。インテリジェントな自律型マシンがさまざまな垂直産業で採用されている。しかし、マシンによって生成されるデータの量は爆発的に増加していて、2025年までに、実に175ゼタバイト(175兆GB)にまで指数関数的に増大すると予想する向きもある。「Jetson Orin」は、サーバー・クラスのAIコンピューティング・パフォーマンスをエッジデバイスで実現することができる。データを処理するための理想的なプラットフォームであり、リアルタイムで次世代のインテリジェント・ロボティクスを推進することができるテクノロジーだ。
このセッションでは、「NVIDIA エコシステム パートナー」と顧客がNVIDIA Jetson Orin モジュールをどのように使用して、世界を変革する強力な AIソリューションを市場に投入しているかが紹介される。運輸とロジスティクス、産業と製造、スマート・リテール、スマートシティ、ヘルスケアとライフ・サイエンス、農業など、様々な業界で展開されている主なJetsonのユースケースを学ぶことができる。

NVIDIAシニア テクニカル プロダクト マーケティング マネージャー Chen Su氏
NVIDIA、ハードウェア プロダクト マネージャー Leela karumbuathan氏
9月21日(水) 5:00 AM – 5:50 AM (日本時間)

超小型のハイパフォーマンスAIコンピュータ「NVIDIA Jetson Orin」。左が開発者向けキット、右が量産タイプ


AIベースのロボット開発のためのシミュレーション・ツール活用(A41267)

ロボットにおけるAI強化学習と、合成データ生成のワークフローを紹介し、「Isaac ROS」によって実現する最新のロボティクス認識機能のいくつかが紹介される予定。

NVIDIA リサーチ サイエンティスト Ankur Handa氏
NVIDIA シニア アプライド リサーチ エンジニア Kelly Guo氏
9月21日(水) 4:00 AM – 4:50 AM (日本時間)

Isaacの活用イメージ例


Jetson AGX Orin の概要と基礎 (A41194)

最もコスト・パフォーマンスが高く、優れた超小型AIコンピュータと言われている、エッジAIプラットフォーム「Jetson AGX Orin」で、AIアプリケーションを開発する方法を紹介するハンズオン・デモンストレーション。
オブジェクトを検出し、非常に高速な推論速度で画像セグメンテーションなどのコンピューター・ビジョンのタスクを実行する方法を紹介。AIモデルのインストールからデプロイまで、初歩から学ぶことができる。初心者だけでなく、既に経験豊富なユーザーも対象とした構成になっていて、自分のハードウェアで試してみたいユーザーにも役立つ体験学習になっている。

NVIDIA 組込/Jetson開発者マーケティング Asier Arranz氏
9月22日(木) 6:00 PM – 6:25 PM (日本時間)

画像はAIビジョンとロボットを組み合わせたイメージ例




AIコンピューター・ビジョン関連セッション

ロボットやドローン等の目となり、AIカメラなどで活用が急速に進む「AIコンピューター・ビジョン」。セキュリティカメラ、工場、農業、小売り業などで日々の実践事例が蓄積されている。監視や識別の自動化、判別の高精度化など、実用例を体感できる。
また、AI学習を短期間で行う「転移学習」。その実際を「NVIDIA TAO」で解説する。(こちらも事前に登録しておくと、下記のセッションは終了後にオンデマンド視聴が可能になるので、昼間など任意の時間に視聴できる)



NVIDIAのコンピューター・ビジョン研究: 人間を認識するAI活用 (A41170)

人間と機械の相互作用、アクティビティ認識、ビデオ分析、視覚効果、ゲームなど、人間が関与するその他のアプリケーションにおいて、ポーズや視線など、人間の認識は非常に重要だ。単眼のRGB画像から人体を詳細に理解することにフォーカスしたNVIDIA研究チームの内容を紹介。
具体的には、体の姿勢の推定、手の姿勢の推定、基準ランドマークの検出、視線の推定とリダイレクトのためのディープラーニングの手法を解説。実世界のシナリオによってもたらされる課題に直面し、これらの方法をトレーニングするためのデータ不足の問題に対処するために、深層学習モデルを強固にする方法を伝授。

NVIDIA 学習/知覚研究担当バイス・プレジデント Jan Kautz氏
9月22日(木) 2:00 AM – 2:50 AM (日本時間)


「NVIDIA TAO」転移学習でAIモデルをシンプルに (A41172)

「TAO」を活用した転移学習を学ぶことができる。大企業や新興企業の開発者は、事前にトレーニング済みのAIモデルを元に転移学習を行い、コーディングを最小限に抑え、データセット要件を減らし、自社が求めるAIモデルを短時間で迅速に開発している。
AIの専門知識がなくても、カスタムの本番環境に対応した「ビジョンAI」および「会話型AI」モデルを作成してデプロイする方法を学ぶことができる。
新しいトランスフォーマー・ベースのモデル、Google Colabとの統合、モデルのトレーニングと最適化を高速に実行する新機能など、「NVIDIA TAO Toolkit」に追加された最新のアップデートについてもチェックすることができる。
このセッションは、あらゆる技術レベルの開発者に適していて、わかりやすいデモが用意されている。

NVIDIA プロダクトマネージャー Chintan Shah氏
NVIDIA シニア プロダクトマーケティングマネージャー Akhil Docca氏
9月20日(火) 3:00 AM – 3:50 AM (日本時間)


AIの最新情報を「GTC 2022」でチェック

GPUとディープラーニングの世界最大級のAIイベント「GTC 2022」は9月19日から22日にオンライン開催。既に参加申込みの受付がはじまっている。新たなAIについての発表も予定されているのでチェックしておきたい。また、今回は、ヨシュア ベンジオ(Yoshua Bengio)氏、ジェフ ヒントン(Geoff Hinton)氏、ヤン ルカン(Yann LeCun)氏など、AIとディープラーニング業界をリードしてきた有識者たちによるトークセッションが行われるので、こちらにも注目だ。


詳細は別途記事「世界最大級のAIイベント「NVIDIA GTC」9/19からオンライン開催、参加受付開始 基調講演で新しいAI、メタバーステクノロジを発表、著名な教授陣のトークショーにも注目」で掲載している。参加予定の方は申込みを忘れずに。

「GTC2022」公式サイト
NVIDIA「GTC2022」公式サイト

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神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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