NTT Com 移動可能なテレプレゼンスロボット「temi(テミ)」をコールセンターに導入 オペレーター業務を管理者が遠隔から支援

NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は、2022年9月にテレプレゼンスロボット「temi(テミ)」を、ICTテクニカルサポートを展開しているキューアンドエー株式会社が運営する宮城県南三陸町のコールセンター「南三陸サテライトオペレーションセンター」に導入したことを、同年10月4日に発表した。

移動可能なテレプレゼンスロボット「temi」


テキストチャットでは限界がある・・

同センターは、地方雇用創出を目的に、2022年2月に南三陸町に開設されており、電話対応するオペレーターのみが常駐し、仙台の拠点にいる管理者はテキストチャットを通じた電話対応中の支援やWEB会議システムを使った応対後の指導などを行っている。

同センター開設以来、「テキストチャットでは、管理者が応対中のオペレーターの様子を十分に把握することが難しく、適切なアドバイスができない」などの課題があったため、「管理者が現地で支援する環境にできるだけ近づける」ことをめざし、実証実験を経て「temi」の導入に至った。

この導入により、オペレーターは、応対支援が必要な際、コールセンター内を巡回する「temi」を通じて遠隔の管理者からアドバイスを受けることが可能となった。


「temi」の導入形態

「temi」は、遠隔操作により自立走行するAIを搭載したロボットだ。仙台の拠点にいる管理者がタブレットを操作すると、南三陸のコールセンターにいる同ロボットが、オペレーターのいる居室を巡回。ロボットを通じてオペレーターの映像がタブレットに送られ、管理者が現地にいるかのように様子を把握できる。管理者は、ビデオ通話機能を使ってオペレーターに声をかけたり、応対後にアドバイスを行ったりすることが可能だ。また、オペレーターからもスマートフォンのアプリ機能を使い、「temi」を自席に呼び出すことができ、「temi」のモニターを通じてビデオ通話で管理者の応対支援を受けることができる。





「temi」導入効果と今後の展開

「temi」を導入することで、管理者が現地の様子を把握して支援するだけではなく、オペレーターからも支援を依頼することが可能となる。離れた場所でも双方向でのコミュニケーションができ、管理者らの迅速な応対サポートにより電話応対の品質向上を実現した。また、経験の浅いオペレーターも「temi」を通じて気軽に遠隔の管理者からの支援を受けることできるため、安心して業務に携わることができる。


今後の展開

同社は、離れた場所からでも管理者が「temi」を介してオペレーターに寄り添い、見守り支援することで、オペレーターの安心感を醸成するとともに、顧客対応力の向上につなげていくと述べている。また、今後、コールセンター業界だけではなく、様々な業界においても、「temi」を活用したソリューションの提供を通じて遠隔地と拠点の円滑なコミュニケーションを実現し、お客さまのDXの支援や、地方創生や分散型社会の実現に貢献していくと述べている。

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ロボスタ編集部

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