NEC、ENEOS急速充電サービス向けにマルチ認証・課金システム提供開始 日本政府は2030年までにEV充電器15万基の設置目標

現在、世界では脱炭素社会へのシフトに向けた各種取り組みが推進される中、日本国内においてもEVの更なる普及が想定されている。
日本政府は、2050年カーボンニュートラルを目指し、EVを含めた電動車の普及を促進するため、2035年までに新車販売における電動車比率を100%とする方針を打ち立てている。また、インフラ面においては、2030年までにEV急速充電器30,000基およびEV普通充電器120,000基の設置を目標に掲げている。

ENEOS株式会社も、EV経路充電ネットワークの拡充に取り組んでおり、2022年6月に日本電気株式会社(NEC)から承継した普通充電器約6,100基の運営に加え、急速充電器については、2025年度時点で1,000基以上、2030年度時点で数千基~10,000基の設置を計画している。

このような中、NECは、ENEOSが2022年11月21日より新たに提供開始する電気自動車(EV)の経路充電における急速充電サービス「ENEOS Charge Plus」向けに、多様な認証手段と決済に対応したマルチ認証・課金システムを提供開始した。

同社は、環境負荷を減らし、持続可能な社会の実現を目指しており、今後も、EV充電ネットワークを通じた新たなサービスの創出に向けてENEOSとの協業検討を継続し、脱炭素社会やサーキュラーエコノミーの実現を目指すと述べている。

「ENEOS Charge Plus」の急速充電器

「ENEOS Charge Plus」会員画面イメージ(デモデータ)




両社の取り組みの概要

ENEOSが今後のEV普及を見据え、利便性の高いEV充電サービスの実現とEV充電ネットワークの拡充を目指す中、同社は、これまでのEV充電事業の運営で培った運用面・システム面の経験・ノウハウを活かし、クラウド上でEVユーザの認証や課金管理などEV充電に必要な機能をワンストップで提供できるシステムをENEOS向けに開発。

ENEOSが全国12,000カ所超のSSネットワークを活かしてEV急速充電器の設置拡大を目指す中、同社は、EV充電器向けのマルチ認証・決済エッジ端末の開発・導入から、充電の状況・実績を管理するマルチ認証・課金クラウドサービスまでをトータルで提供する。なお、今回提供したマルチ認証・決済エッジ端末は、FeliCa(ソニー株式会社が開発した非接触型ICカード技術方式)などの非接触型ICカード認証や、電子マネー・非接触クレジットカード・QRコードなど様々な決済方法に対応。EV利用者の多様なニーズに応えることでENEOSが目指す利便性の高い充電サービスの実現へ寄与している。


取り組みの背景

なお、両社は、脱炭素化に寄与するEVの更なる普及に向けて2021年5月にEV充電事業に関する協業検討の基本合意書を締結。同協業検討の取り組みの一つとして、2022年6月に、NECが商業施設等で展開してきたEV充電サービス事業の運営をENEOSに譲渡し、EV充電器の運用管理システムをNECが引き続き担うかたちで両社の強みを活かした新たな事業スキームを構築。今回のマルチ認証・課金システムについても協業検討の一環としての新たな取り組みとなっている。



■【動画】ENEOS Charge Plus スゴイEV充電 サービス紹介動画


EV・PHV充電クラウドサービスについて:https://jpn.nec.com/energy/charge.html

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