石原さとみや「OriHime」も登場 世界ALSデーに啓発音楽フェス「MOVE FES. 2023」開催 テクノロジー×音楽の融合で大反響

一般社団法人WITH ALSは6月21日の「世界ALSデー」にあわせ、2023年6月18日に EX THEATER ROPPONGI でALSの啓発音楽フェス「MOVE FES. 2023 Supported by AIRU」を開催した。


イベントでは、視線入力でDJ・VJをプレイするアーティスト「EYE VDJ MASA」としての武藤氏のパフォーマンスに加え、光を操るクリエイティブチームMPLUSPLUSとコラボレーションし、光るダンスパフォーマンスやLEDパネルなどを駆使した新たな表現方法に挑戦したり、VRアーティストせきぐちあいみがステージ上でアートパフォーマンスを披露。障がいのある人がOriHimeで遠隔から接客などもおこなった。


また、映画『NO LIMIT,YOUR LIFE ノー リミット,ユア ライフ』にも出演している武藤将胤氏、妻の木綿子氏、そして武藤夫婦のかねてからの友人で映画のナレーションも担当した石原さとみ氏がサプライズゲストとして登壇した。



「MOVE FES. 2023 supported by AIRU」は1,000名以上が参加

2016年にスタートした「MOVE FES.」は、ALS患者でありながらクリエイター・アーティストとして活動を続けるWITH ALS代表の武藤将胤氏が、企画・演出を務めるALSの啓発音楽フェス。

今年は『UNREAL REALITY. 非現実的な現実』をテーマに、会場となったEX THEATER ROPPONGIへの来場合計700名、配信300名、メタバース40名の合計約1,040名が参加したフェスとなった。

難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、 2023年現在、有効な治療法が確立されていない指定難病。意識や五感は正常のまま身体が動かなくなり、やがて呼吸障害を引き起こす。延命のためには、人口呼吸器が必要。平均余命は、3〜5年。呼吸器を装着する事で生きることはできるが、身体能力に加え発話能力も失っていく。現在年間約10万人に1人が発症しており、世界で約35万人、日本には約1万人の患者がいる。


テクノロジーを駆使した新たな表現に挑戦

「MOVE FES. 2023 supported by AIRU」では、WITH ALS代表の武藤将胤氏が視線入力でDJ・VJをプレイするアーティスト「EYE VDJ MASA」としてのパフォーマンスに加えて、今回は光を操るクリエイティブチームMPLUSPLUSとコラボレーションし、光るダンスパフォーマンスやLEDパネルなどを駆使した新たな表現方法にチャレンジした。



WITH ALSは、メタバースやVRアートの世界は将来寝たきり状態になるALS患者にとって希望を持てる世界であるという考えのもと、メタバースの研究に取り組んでおり、今回はメタバース配信・VRアートの実施にも初めて挑戦した。

当日は、武藤将胤氏とのコラボステージとしてVRアーティストせきぐちあいみ氏がステージ上でアートパフォーマンスを実施。会場スクリーンとメタバース空間上でライブペイントを披露した。武藤の歌詞や花火のVJに合わせて、花を咲かせたり不死鳥をペイントしながらつくり上げられていくコラボレーションVRアートに、メタバース会場も大いに盛り上がった。






分身ロボット「OriHime」で障がいを持つパイロットたちが遠隔操作で店頭接客

リアル会場では、分身ロボット「OriHime」とタッグを組んだ「01 ROBOT POP-UP STORE」をオープン。

ボーダレスウェアを展開するWITH ALSのアパレルブランド「01 BORDERLESS WEAR」の販売店舗として、厳選したユニバーサルアイテムとALSチャリティーアパレルを現地で販売した。

店頭接客は、分身ロボット「OriHime」を通じて障がいを持つパイロットたちが遠隔操作で実施。商品説明だけでなく自己紹介や雑談もしながら働くOriHimeパイロットの優しくユニークな接客に、来場者も笑ったり驚いたりしながら楽しんでいた。



「MOVE FES. 2023 supported by AIRU」限定で制作したチャリティーアパレルは、すべて武藤将胤氏が視線操作でデザインしたもの。数量限定でwebでも販売している。(URL:https://01borderlesswear.stores.jp/?category_id=60059c72bbb683481787ca90



ステージでは、アーティストパフォーマンスの他に「ALS TALK SHOW」と題し、テクノロジーの分野と治療薬研究開発のファンドレイジング活動の分野からゲストを招いて最先端のALS研究や最新テクノロジーなどについて対談を行った。

また、今回武藤将胤氏がEYE VDJに使用したのは現在開発中の新しいDJ・VJツールとなっている。これまでは特別な眼鏡型デバイスを使って専用開発したツールでプレイしていたが、より誰もが表現者になれる世界を目指して、メガネを使わず視線のみで操作できるDJ・VJツールを開発。今後一般にも普及できるように研究を進めていることを明かした。



ステージコンテンツは2023年7月18日まで期間限定で視聴可能(有料)。配信URL:https://withals.zaiko.io/e/movefes2023

WITH ALS代表理事・武藤将胤氏 「MOVE FES. 2023」当日コメント

「MOVE FES. 2023 supported by AIRU」を開催した、WITH ALS代表理事・武藤将胤氏がイベント当日への思いについてコメントを寄せている。


一般社団法人WITH ALS 代表理事 武藤将胤 氏

約1年半の時間をかけてこのMOVE FES.2023と新曲を作ってきたので、お客様の沢山の歓声と拍手、笑顔がもらえて本当に感無量でした。今回はリアルとオンラインとメタバース配信3会場で過去最大の1,000名を超える皆さんに参加していただいて、心から感謝しています。皆さんのおかげでこうしてALS啓発活動の挑戦を続けることができています。今後もBORDERLESSな世界の実現に向けて、ALSが治る未来に向けて、世界中に支援の輪を広げていけるよう、引き続き応援どうぞよろしくお願いいたします!



関連サイト
一般社団法人WITH ALS

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム