パナソニック ホールディングス(HD)株式会社、東急株式会社、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)は、川崎市麻生区のUR虹ヶ丘団地にて、世界初となる郊外住宅地における空中配送ロボット技術を活用した新たな配送サービスの実証実験を実施する。また、この実証実験を活用した持続可能なまちづくりの推進に向けて10月13日(金)に連携協定を締結した。実証実験は11月18日(土)から開始する。一般見学の機会も設ける。
空中配送ロボットの技術およびサービスの効果検証を通じ、配送業界の人手不足や配送コストの上昇といった社会課題の解決や、少子高齢化が進行する郊外住宅地における買い物の利便性向上を目指す。
また、空中配送ロボットにより商品が届けられる受取場所に人が集い、外出や交流の機会が創出されることによるウェルビーイングの向上や、コミュニティの形成による地域活性化に寄与し、生活者一人ひとりの自由で豊かな暮らしの実現、生活者起点でのまちづくりを推進していく考えだ。
締結に関する各社取り組み
パナソニックHD
パナソニックHDは、「幸せの、チカラに。」をグループのブランドスローガンとして、物も心も豊かな「理想の社会」の実現に向け、社会課題に正面から向き合い、新しい価値の創造に着手。「2024年問題」に代表される物流業界の人材不足と、深刻化する郊外地域の買い物の不便さを解消するため、新しい配送技術を導入したロボットの開発に取り組んできた。
東急
東急は、郊外における生活者起点での自由で豊かな暮らしを実現するために、職・住・遊・学が近接・融合した自律分散型のまちづくりを目指す取り組みとして、多摩田園都市エリアで「nexus(ネクサス)構想」を始動した。この構想の推進にあたっては、東急単独で取り組むのではなく、構想に共感した企業や行政をバディ(仲間)と捉え、多様なバディと連携し、生活者起点のサステナブルな地域ネットワークを構築。
「農と食」「資源循環」「エネルギー」「モビリティ」「ウェルネス」といったサステナブルテーマに沿った社会実証実験を行う拠点として「nexusチャレンジパーク早野」を開業。シェアリング型のコミュニティIoT農園や焚き火エリア、イベントスペースなどの多目的利用が可能な空間を作り、地域住民が日常的に自由に活用できる場として運営し、住民、農家や学校、そして企業や行政などのバディが集まってつながり、生活者起点での魅力的な街の仕掛けづくりに挑戦していく。今後も多摩田園都市エリアにおいて、それぞれの地域の特徴を生かしながら、沿線の課題解決を図り、自律分散型まちづくりの実現を目指す、としている。
UR都市機構
UR都市機構は、少子高齢化・人口減少が急速に進展する中で、「多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まち(ミクストコミュニティ)」の実現を目指し、地域資源であるUR賃貸住宅について、安心して住み続けられる環境整備、持続可能で活力ある地域・まちづくりの推進、団地や地域のコミュニティ形成や賃貸住宅ストックの価値向上など、多様な活用を推進している。
実証実験を行うUR虹ヶ丘団地でも、団地内外の高低差により日常の買い物の利便性が課題となる中、住民の交流促進と団地内での買い物機会の提供のために、JAの野菜販売イベントなどを実施してきた。
三者は各者のもつノウハウを生かし、協働して郊外住宅地に共通する地域課題の解決、並びに地域の活性化、魅力づくり、持続的な価値の向上を図るため、連携協定の締結に至った。
今回のUR虹ヶ丘団地の実証実験の結果を踏まえ、今後は虹ヶ丘地域、すすき野地域への拡大を視野に検討を進めていく考えだ。
連携内容
(1)配送ロボットの技術検証
(2)住民の利便性向上に資する新たな物流サービスの効果検証
(3)郊外住宅地におけるコミュニティ形成および地域活性化への寄与の検証
実証実験の概要
(1)実施目的:
空中配送ロボットによる配送システムを試行的に運行させ、その効果や課題の把握、利用頻度や利用目的のニーズの把握と、生活への影響を調査。
(2)実施場所:
川崎市麻生区虹ヶ丘2丁目 UR虹ヶ丘団地内
(3)実施期間:
2023年11月18日(土)~2024年3月31日(日)
上記期間において不定期で運行。
一般の見学
11月18日(土)に虹ヶ丘団地で開催される「虹のまちにわフェス」において、空中配送ロボットを運行する。一般の見学が可能となる予定だ。
実施内容:
住民が専用WEBアプリから、東急ストア、吉野家などの商品を注文。指定時間内に団地内の受取場所にある受取ボックスまで配送ロボットが商品を届ける。
実証実験の協力者
株式会社東急ストア
東急バス株式会社
株式会社URコミュニティ
株式会社吉野家