生成AIの推論処理に特化した半導体開発のスタートアップ 韓国「Rebellions」にDG Daiwa Venturesが出資

デジタルガレージと大和証券グループが合弁で設立したベンチャーキャピタルDG Daiwa Venturesは、生成AIの推論処理に特化した半導体の設計を手掛ける韓国のRebellionsのシリーズBラウンドに出資したことを明らかにした。

本ラウンドでDG Daiwa Venturesは、既存投資家であるKT、Korean Development Bank、IMM、Pavilion Capitalや、新規投資家のKT Cloud、Korelya Capitalとあわせ約124百万米ドル(約183億円)を出資。今回の資金調達により、Rebellionsの累計資金調達額は約211百万米ドル(約311億円)となった。

Rebellionsは韓国発の半導体スタートアップ

Rebellionsは、生成AIの推論処理に特化したNPU(Neural Processing Units)の設計を手掛ける韓国発の半導体スタートアップ。

2022年のOpenAIによるGPT-3発表を皮切りに、直近2年間で生成AIは大きな注目を集め、社会実装が進んでいる。電子情報技術産業協会(JEITA)は、生成AI市場の世界需要額は年平均53.3%成長、2030年には2,110億ドルに達し、2023年の約20倍に成長すると予測しているが、既存のGPU(Graphics Processing Unit)では急増する計算量に対してチップの供給が追いつかず、サービス速度の低下や電力消費量の増加によるコスト増加が懸念されている。

この業界課題に対して、RebellionsはAIモデルの学習段階ではなく、エンドユーザーに生成AIサービスを提供する推論処理に特化し、高速処理かつ省エネルギーを実現するNPUの設計・開発を行っている。同社の製品は、既に金融機関向けの第1世代半導体、データセンター向けの第2世代半導体が実際に提供されており、世界的な機械学習処理のベンチマークであるMLPerf(Machine Learning Performance:多様なタスクをカバーした機械学習システムのパフォーマンスを評価するための世界的なベンチマーク)において、NVIDIAやQualcommと比較して、より速い処理速度を記録している。

今回調達した資金は、日本や米国における採用・組織体制の強化、量産体制の構築、データセンターとの協業拡充、次世代チップ「リベル(REBEL)」の研究開発、その他営業活動等に充てられる予定。

尚、DG Daiwa Venturesは、日本での事業開発、体制整備、日本市場での多岐にわたるパートナーシップ支援を行うとしている。

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ロボスタ編集部

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