デルがスバルの安全運転支援システム「アイサイト」のAI画像解析システムを支援 膨大なデータ量への対応を「Dell PowerScale」で実現

デル・テクノロジーズは、スバル(SUBARU)の予防安全を担う運転支援システム「アイサイト」のAI開発基盤を、「Dell PowerScale」スケールアウト型ネットワーク アタッチド ストレージ(NAS)で支援していることを発表した。

「アイサイト」のAI開発基盤には、膨大な数のデータを効率的に保存/活用できる仕組みが求められており、この要件を満たせる新たなストレージ基盤として「PowerScale」が採用され、従来型開発に比べて約1,000倍規模のファイル数に拡大したデータへの対応を実現した。

「PowerScale」ストレージ採用までの背景

「アイサイト」の開発において、従来型開発では主に動画データが用いられ、ファイル数が十数万点規模だったのに対し、AI開発では静止画像データが用いられ、数億~数十億規模もの膨大なファイル数となる。

2020年に設立したAI開発拠点「SUBARU Lab」では、次世代「アイサイト」のキーテクノロジーとなるAI開発を進める上で、ベースとなる膨大なデータをどのようにして保存・管理・活用するかという点が、大きな課題となっていた。

ストレージ選定にあたっては、大量のデータをいかにシンプルに扱え、フォルダ構造もシンプルであることが求められた。そうでないと開発作業効率が悪くなるため、1つのフォルダ内にできるだけ多くのデータ保存ができる必要がある。また、加速するデータ容量増加に対応できる拡張性や、高い性能と信頼性も必須要件だった。

デル・テクノロジーズ ソリューション採用の理由

これらの要件を満たせる製品として採用されたのが、デル・テクノロジーズの「PowerScale」ストレージシステムだった。

「PowerScale」は、要求の厳しいエンタープライズファイルワークロード向けに設計された、柔軟で安全なスケールアウトネットワーク接続ストレージ(NAS)システム。

拡張性や高性能機能に加えて、クラスター内や拠点間でストレージを階層化する「SmartPools/CloudPools」機能も備わっており、物理的なストレージの設置場所を気にすることなくデータを活用でき、かつデータ保存コストの最適化も図れる点も、採用理由の1つだった。また、大量のデータの中から目的のデータを高速検索する「PowerScale」専用のデータ可視化ソリューションも評価された。

導入後の効果

「PowerScale」を採用したことで、従来型開発環境に比べて、約1,000倍規模のファイル数に拡大したデータへのスムーズな対応を実現。「PowerScale」の自動階層化機能を活用し、性能要件とコスト要件を両立することができたうえ、大量データの中から目的のデータを高速検索できる環境も実現した。

また、これまで分断されていたSUBARU LabやSUBARU東京事業所の拠点間をまたぐデータアクセスが可能となり、開発業務にも大きなメリットが生まれ、開発業務でデータを利用する際にも、多くの導入効果が生まれた。

SUBARU Lab副所長 兼 主査 金井崇 氏 コメント

SUBARU 技術本部 ADAS開発部 兼 PGM(高度統合システム) SUBARU Lab副所長 兼 主査 金井崇 氏

AI開発におけるデータ増加のスピードはすさまじく、従来型開発基盤が数年掛けて蓄積したファイル数を、わずか1年で超えてしまったほどです。『PowerScale』がなければ、これほどのデータを受け止めることは難しかったでしょう。AI開発の世界では、次々と新たな手法が生まれており、システムやストレージに対する要件も刻々と変化しています。これにシステム インテグレーションで対応していたのでは、相当な手間とコストが掛かってしまいます。その点、『PowerScale』なら、本体機能と周辺ソリューションだけで多様なニーズに対応できます


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ロボスタ編集部

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