和歌山県を拠点にバス・タクシー・旅行サービス事業を展開するユタカ交通と和歌山新城下町DMCが共同で運営する「メタバース和歌山実行委員会」は、メタバース和歌山公式YouTubeチャンネルにて、2024年7月11日和歌山観光の拠点である「和歌山城」を紹介する360°VR動画を公開した。
動画内では、西の丸庭園や御橋廊下など和歌山城の敷地内に点在する魅力的な名所を巡り、天守閣を目指す内容となっている。
このようなVR動画の公開は観光DX事業の一環であり、和歌山の関係人口の増加や実際の和歌山への訪問につなげる狙いがあるとしている。
VRで観光誘客、インバウンド需要刺激へ
和歌山は大阪に隣接する県であり、関西国際空港からもアクセスが良いのが観光のメリットで、コロナ禍で落ち込んだ観光客数もコロナ前の90.1%まで回復し、年々上昇傾向にある。
しかしながら、紀伊半島の端に位置することや新幹線が通らないなどの立地条件により、潜在的な観光需要に対し、十分な客数を呼び込めていない可能性がある。
特に外国人観光客は2019年に50万人に達した後、コロナの影響により1万人未満に激減。昨年は38万人まで回復したものの、大阪観光局の発表によると今年5年ぶり過去最高の外国人客数1,400万人を見込む大阪に比べ、インバウンド需要が弱い傾向にある。
こうした背景からメタバース和歌山実行委員会では、幅広い年齢かつ海外にもリーチ可能なVR動画での観光PRを開始。世界的に若者の情報源の中心である「動画」を通じて、関係人口創出からリアルへの観光需要創出につなげる狙いがある。
和歌山城と周辺の景色をVRで体験
メタバース和歌山実行委員会は、和歌山観光の拠点の一つである和歌山城をVRで紹介。実際にその場所を散策しているかのように周辺の景色を見渡すことが出来る。
初めて和歌山城を知る人にも気軽に散歩を楽しむように、和歌山城の史跡に触れることが出来る内容となっており、動画内では、西の丸庭園や御橋廊下など和歌山城の敷地内に点在する魅力的な名所を巡る。和歌山城をVRで体験することによって、印象を深め、和歌山という場所をより身近に感じることを目的としている。
「360°VR観光 和歌山城」
和歌山城は天正13年(1585)羽柴秀吉が弟・秀長に命じて築かせたのを始まりに、関ヶ原の戦い(1600)以降、浅野幸長、徳川頼宣と藩主の変遷と共に造成を繰り返し、西の丸、砂の丸、南の丸などを有する現在の姿になった。
動画内では、4つの櫓を結んだ連立式天守、藩主が自然風雅を愛でる場とした西の丸庭園、西の丸と生活を営む二の丸大奥をつなぐ御橋廊下など紹介。その他、展示品の並ぶ城郭内の様子や和歌山の市街地を一望できる天守閣からの眺望も収められ、より充実した仮想観光体験を楽しめる内容になっている。
これまでに公開したVR動画
「和歌山城 KishuNinja Japan travel」
「友ヶ島 Tomogashima Japan travel」
「白浜 Shirahama Japan travel」
今後の取り組み
和歌山の魅力をVR動画で広く発信することを目的に今後も様々なVR動画の公開が予定されている。神秘的な日本の風景として世界的にも知られる「熊野古道」や「高野山」をVRで紹介。霊妙な空気に包まれた「熊野古道」や「奥之院」を一人静かに歩む動画は、心安らぐ時間を味わう癒しの旅をイメージした内容になっている。