移動型無人販売ロボット「PIMTO」成田空港で実証運用開始 マッシュアップとパナソニックHD、NAAが協力

株式会社マッシュアップは、パナソニック ホールディングス株式会社および成田国際空港株式会社(以下、NAA)と共同で、移動型無人販売サービス「PIMTO」の実証実験を成田空港第1ターミナル出国後エリアにて開始する。期間は2025年7月29日から8月11日。
本実証は、インバウンド客の需要増加を見据え、出発直前の購買体験向上を目的としている。搭乗ゲート周辺で自律移動可能なロボットを活用し、多様な商品を日替わりで販売する。
無人販売ロボットによる新たな販売スタイル
「PIMTO」は無人での販売に特化した設計のロボットであり、店舗設営を伴わず販売ポイントの拡張が可能。支払い手段はクレジットカードや交通系電子マネー、QR決済に対応し、決済利便性を確保する。
移動は基本的に無線コントローラーによる操作。遠隔地からのリモート操縦も検証対象となる。常時移動する必要がない販売での使い方であることから、自律走行やそのための事前準備等が不要と判断した。人流に応じて位置を調整し、販売効率の向上を図る。
ロボット運用には、遠隔から状況確認や制御が可能なアプリケーション「PIMTO UI」を活用。販売状況や音源再生、移動指示などが遠隔で実施でき、効率的なロボット運用を支援する。
インバウンド客向けの体験設計
2025年3月に実施した第1回の実証実験を踏まえ、今後も増加が予想される外国人旅行客への新たなサービスとして、サブカルチャーアイテム、キャラクター商品、スウィーツ、韓国コスメ日替わりで販売する。
実証では体験価値の最大化に向けて、来場者がゲーム感覚で商品を選択できるインタラクティブなUIを搭載したモデルを採用。機体には11言語の誘引メッセージを表示し、利用者の関心を引き付ける。
「Wings & Wonders」をテーマに商品と体験を設計
商品構成と体験設計は、マッシュアップ、パナソニックHD、NAAに、gray parkを加えた4社により「Wings & Wonders」をテーマに共同設計された。購買体験そのものにエンターテインメント性を持たせることで、搭乗客の満足度向上を狙う。さらに、福祉施設と連携することで、サービス運営に障がいや心に不安を抱える方々など多様な人材の参画を促すユニバーサルデザインにも取り組む。
ロボットによる移動型販売は、空港や商業施設での人手不足解消に加え、利用者体験の向上、福祉的就労の支援など多面的な価値を持つ。公共交通機関やイベント施設などへの展開も想定され、施設運営のデジタル化やスマートインフラ整備の一環として注目を集めそうだ。
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