株式会社LexxPlussは、同社の「多品種少量生産を支える高速かつ高精度モバイルマニピュレータ※の研究開発」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2025年度SBIR推進プログラムに採択されたことを発表した。
※移動能力を持つロボットアーム
製造業の自動化を後押しする国の支援
今回採択されたSBIR推進プログラムは、社会課題の解決に貢献する研究開発型スタートアップなどの研究開発促進と成果の社会実装を目的とする「日本版SBIR制度」の一翼を担うものである。LexxPlussのプロジェクトは、実用化開発を支援するフェーズ2での採択となった。

事業名称は「多品種少量生産を支える高速かつ高精度モバイルマニピュレータの研究開発」で、実施期間は2年間、助成金の上限は1億円(NEDO負担額)となる。
近年、製造業では人手不足の深刻化と市場ニーズの多様化が進み、多品種少量生産の自動化が喫緊の課題である。この課題解決の鍵として、柔軟な生産ライン構築を可能にするモバイルマニピュレータへの期待が高まっている。

AIと高度な移動技術で従来機の課題を克服
従来のモバイルマニピュレータには、導入プロセスの複雑さやパフォーマンス面での課題が存在した。LexxPlussは今回のプログラムを通じて、これらの課題解決を目指す。
具体的には、導入プロセスにAI技術である大規模言語モデル(LLM)を活用するほか、同社が持つ自動搬送ロボット(AMR)の高度な移動技術を応用し、高速かつ高精度な移動制御を実現する。これにより、実際の生産現場が要求する水準のパフォーマンスを持つモバイルマニピュレータの開発を進める。
同社は既に、2025年5月に開催された「人とくるまのテクノロジー展 2025 横浜」において、トヨタ車体株式会社と共同開発中のモバイルマニピュレータを公開している。
AIロボティクス分野でのリーダーシップ
LexxPlussは、「自律的産業インフラを構築する」をミッションに掲げ、AIとロボティクス技術を融合させた製品開発を手掛けるスタートアップである。これまでに自動搬送ロボット「Lexx500」や牽引アタッチメント「LexxTug」、ロボット統合制御システム「LexxFleet」などを開発・販売してきた。
また、同社の代表取締役である阿蘓将也氏は、2025年9月より経済産業省が開催する「AIロボティクス検討会」の委員を務めている。この検討会はAIロボットの社会実装における政策課題の抽出と解決策の検討を目的としており、阿蘓氏の参加は同社のAI分野における知見と業界発展への貢献意欲を示すものと言える。
LexxPlussは今回の採択を機に、AIとロボティクスの融合による新たな産業構造の実現に向けた開発を一層加速させる方針だ。


