「人協調型ロボティクス住宅」リビングロボットが藤田医科大学と共同開発 サンヨーホームズの住宅展示場で全国初公開

株式会社リビングロボットは、藤田医科大学リハビリテーション部門と共同開発した人の生活・活動を支援するロボットやシステムを、サンヨーホームズ株式会社の住宅展示場に導入したと発表した。
9月20日(土)から「人協調型ロボティクス住宅」として一般公開を開始する。一般公開日は週末を中心とした特定日(9月20日、21日、27日、28日を予定)となる。
3種類のロボットが日常生活をサポート
「人協調型ロボティクス住宅」では、運動や睡眠といった人の生活・活動データに加え、温湿度・CO₂濃度・照度、窓開閉などの住環境データをセンサで収集。得られたデータをもとに、ロボットが居住者に対し、会話を通じて気づきを与え、活動を促すシステムとなっている。
さらに、そのシステムを活用した熱中症予防や侵入者検知、転倒通報などの機能により、居住者を危険から守ることも可能。住宅では3種類のロボットを導入している。
・(a) 対話機能を搭載した手のひらサイズの「見守りウィーゴ」(身長130mm)
・(b) 移動機能や通話機能を搭載した小型の「メカトロメイトQ」(身長480mm)
・(c) 株式会社今仙技術研究所が開発した「移動・移乗支援ロボット」
高齢者から子育て世帯まで幅広くサポート
少子高齢化が進む中、本住宅は高齢者の自立支援や介護人材の不足といった課題の解決に寄与するだけでなく、子育て世帯にとっても安心・安全で、家族間のコミュニケーションを豊かにするなど、より良い生活の提供につながることが期待できる。
居住者の意向に合わせて、遠隔地に住む家族にも情報を共有。転倒や侵入者検知など緊急時には、ロボットのモニタを介して映像や音声で現場確認も可能だ。また、住宅内には藤田医科大学が企業と共同研究を行っている「転倒時にけがをしにくい床材」が導入されており、高齢者も安心して生活できる構造となっている。
ロボットのサポート機能は、簡単なプログラミングでカスタマイズすることが可能なため、子どもから高齢者まで自由に自身の生活に合わせた機能を組み込むことができる。
全国初の住宅展示場での公開事例
本取り組みは、藤田医科大学がサンヨーホームズと共に2024年に採用された内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の課題「人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」の一環として進められている。
50社を超える企業と人の生活・活動に関わるロボットやシステムなどの共同研究に取り組む藤田医科大学リハビリテーション部門と、高齢者向け住宅や福祉施設の運営、設計施工に定評のあるサンヨーホームズがそれぞれの知見を融合し、本住宅を開発した。
今後は、建設要件や間取りを含めた研究にも着手し、2年後の社会実装を目指す。なお、一般の方が自由に出入りできる住宅展示場での公開事例は全国で初となる。
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