プログラミングの専門知識がなくてもアプリや業務システムを作れるようにする開発手法「ローコード」や「ノーコード」が進展する中、今後は生成AIのインタフェーととなるテキスト入力「プロンプト」の技量(プロンプト・エンジニアリング)が重要なスキルになると見られている。
自分の仕事を3つ、テキストで入力すると、入力した内容が生成AIに評価され、0から99のスコアが書かれたバトルカード3枚と、様々な効果をもつサポートカード1枚が、画面上で生成される。

プロンプト(テキスト)の表現によって、生成AIによるスコアの評価は上下し、どのようにプロンプト表現すれば、より高いレベルに達することができるか、ゲーム感覚で学んでいくことができるしくみになっている。




このように、プロンプトの工夫次第で、自分の仕事から生成されたカードのスコアの強弱が大きく変わるしくみを取り入れている。完成したカードはプリンタで印刷して、実際に対戦ゲームとして遊ぶことが想定されていて、コミュニケーションの向上にも活用できる。

日本IBMがwatsonxを活用して開発
開発したのは日本アイ・ビー・エム株式会社。株式会社セガ エックスディーの監修を受けて、生成AIをカードゲーム形式で学べる研修サービス「Generative AI Card Game Training – バトルワーカーズ」の提供を開始した。


同サービスは、生成AIの導入が進む中で「何から学べばよいか分からない」「専門的で難しそう」といった心理的ハードルを解決することを目的としている。
IBM Institute for Business Valueの最新調査「CEOスタディ2025」によると、61%の企業が既にAIエージェントを積極的に採用し、68%のCEOが「AIが自社の中核事業の在り方に何らかの変革をもたらす」と述べており、企業内へのAI浸透への期待感が高まっている。そのうえで田村氏は「生成AIやAIエージェントの登場以降、多くの企業でAIの導入に向けた取り組みが進行中だが、今後、AIの導入がより一層加速することに備え、AIと協働する組織文化の醸成が重要」と語った。


バトルワーカーズの流れ

生成AIを使ってカードを作る
サービスは3部構成となっている。まず「生成AIを使ってカードを作る」では、オンラインシステムを通じて自分の仕事を3つ入力すると、その内容が生成AIに評価され、0から99のスコアが書かれたバトルカード3枚とサポートカード1枚が画面上で生成される。
生成AIによるカード作成の裏側の仕組みを学ぶ
次に「生成AIによるカード作成の裏側の仕組みを学ぶ」では、生成AIの特性を活かしたスコアリングの仕組みを開示し、ユーザーはプロンプトを更新してより高いスコアのカード生成を目指す。生成AIの特性やハルシネーション、不得意領域、プロンプト・インジェクション攻撃への対策、著作権に関する知識などを学ぶことができる。

作成したカードで戦って遊ぶ
最後に「作成したカードで戦って遊ぶ」では、生成したカードを印刷し、個人戦もしくはチーム戦で、バトルカードとサポートカードを使ってバトルスコアの大きさで勝敗を競う。このパートは参加者の交流を目的とし、それぞれのプレイヤーが入力した仕事を互いに知ることで、チームビルディングにも役立つ設計となっている。
同サービスは初学者から中級者まで幅広い層を対象に、気軽に楽しくインタラクティブに学べる内容となっており、ゲーミフィケーションの知見に強みを持つセガXDの監修により、ゲームの力を夢中にさせる要素を活用した体験設計を実施している。








