ロボティクス分野の生成AI基盤モデル構築に向けて、カワダロボティクスと東大が産学連携

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カワダロボティクス株式会社は、国立大学法人東京大学と連携し、ロボット基盤モデルに関する取り組みへの協力を開始したことを発表した。

本取り組みは、ヒト型ロボットでの実用化を視野に入れたロボティクス分野の生成AI基盤モデル構築を目的としており、そのためのタスクデータ収集基盤の開発や、実際のロボットでの利用法を提案するものである。カワダロボティクスは、長年のヒューマノイドロボット開発で培った知見を活かし、ハードウェア検討や実機検証環境の提供を通じてプロジェクトを推進する。

産学連携で目指すロボット基盤モデルの社会実装

今回の協力において、カワダロボティクスはヒューマノイドロボットの操作・学習用デバイス開発と環境整備を担当する。一方、東京大学松尾・岩澤研究室が研究を進めるロボット基盤モデルのタスクデータ収集基盤技術と組み合わせることで、研究者や企業が広くヒューマノイドロボットの基盤モデル研究に取り組める環境の構築を目指す。

この取り組みから生まれる成果は、特定の用途に限定されない汎用的なプラットフォームとなることを目指しており、AIロボットの研究開発促進と社会普及への貢献が期待される。カワダロボティクスが属するKTI川田グループは、一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)にも参画しており、グループ全体でAIとロボティクスの社会実装を推進している。

労働力不足解決に向けた「エンボディドAI」への期待

ロボット基盤モデルは、ロボティクス技術とAI技術を融合させ、ロボットの汎用性や柔軟性を飛躍的に向上させるための大規模AIモデルである。少子高齢化に伴う労働人口の減少を背景に、社会や産業現場では自動化へのニーズが急速に高まっている。

これまでも多くの現場でロボットが導入されてきたが、柔らかい物体や多種多様な物体を扱う作業など、従来のティーチングやプログラミングではロボットへの作業教示が困難な課題が残っていた。この課題に対し、大量の実世界データから学習させたロボット基盤モデルを開発することで、エンボディドAI(身体性を持つAI)を搭載したロボットが、これまで自動化が困難だった複雑な作業へ適用されることが期待されている。

「国際ロボット展2025」で成果を披露

本協力の成果の一部は、2025年12月3日(水)から12月6日(土)に東京ビッグサイトで開催される「国際ロボット展2025」にてデモ展示される予定(ブース番号:E4-06 東展示場4ホール)。

展示では、ヒト型ロボット用に開発したリーダーデバイスとデータ収集基盤システムを使用し、同社のロボット「NEXTAGE」のテレオペレーション(遠隔操作)を通じて多様なタスクデータを収集し、ロボット基盤モデルの学習に活用する仕組みが紹介される。

カワダロボティクスは、1999年の東京大学からの受託開発を機にヒューマノイドロボット開発に着手して以来、25年以上にわたり研究開発を続けてきた。同社の産業向けヒト型ドロボット「NEXTAGE」シリーズは、国内の数百の生産現場に導入され、電子部品の組立や日用品の梱包など、多様な分野で活躍している。

《ロボスタ編集部》

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