“ヒューマノイドが実際に働く姿”を前提とした展示が並ぶ、新しいフェーズの展示会が始まった。

2026年4月15日(水)、 『NexTech Week 2026 春』において、ヒューマノイドロボットに専門特化した展示会「ヒューマノイドロボットEXPO」が開幕した。
人手不足解消に向けた次の一手となる、最新の「人と共に働くロボット」(協働ロボット)や「フィジカルAI」、「制御ソフト」など、ヒューマノイド関連の企業が集結している。


出展社数は25社とコンパクトながら、ヒューマノイドに特化した展示としては国内初をうたう構成となっている。

複数のヒューマノイドが稼働展示され、各社の特色が現れているデモが行われ、無料のセミナーも実施されている。

会場全体を見ると、「実際の業務を想定したデモ」と「パフォーマンス型のデモ」に大きく分かれているのが特徴だ。この対比こそが、現在のヒューマノイドの立ち位置を象徴している。
まずは会場で見ることができるヒューマノイド達をチェックしよう。

■ヒューマノイドのドリンクステーション体験
会場に入ってすぐ、目に飛び込んでくるのはGalbot社のブースだ。このブース内と、通路を先に進んだ一番奥の特設スペースで「ヒューマノイド ドリンクステーション Powered by Galbot」のデモを見ることができる。

来場者がタブレットから希望のドリンクを指定すると、Galbot社のヒューマノイドロボット「Galbot G1」が指定されたドリンクを商品棚から取り出し、そのまま来場者にサーブする体験デモを実施。


また、展示ブースでは、高負荷対応の高機動ロボット「Galbot S1」も稼働展示。コンテナケースを搬送するデモを披露していた。

■トロンがヒューマノイドを展示
トロンは主にフィジカルAIの開発と導入を手がける日本企業。今回は、実工場を仮想空間に再現するデジタルツインを提案し、NVIDIAのOmniverseやIsaac Simなどを活用したプロセスを紹介している。


展示ブースの前面では、LimX DynamicsやBOOSTERなどのヒューマノイドを稼働させる展示を公開している。

■アスカがヒューマノイドロボットATOMの新型を展示、模倣学習と自律動作のデモ
アスカ株式会社は2種類の「Dobot ATOM」シリーズを展示。Dobot ATOMは「器用な操作」と「直立膝歩行」を組み合わせた、いわゆる“具現化AI(Embodied AI)”型のヒューマノイドロボット。頭部には高解像度ステレオカメラ、デプスカメラ、3D LiDARセンサーを備え、高度な環境認識が可能だという。
デモでは「ATOM」の最新モデルを使って模倣学習するシーンを披露。

その学習モデルを用いて、既存の「ATOM」が認識と把持を自律的に行うデモも披露している。

■UBTECHの「Walker Tienkung」を稼働展示
株式会社GA Roboticsは、UBTECHの「Walker Tienkung」を稼働展示。「Walker Tienkung」は、インタラクティブ学習機能と自律動作、精密なタスク遂行能力を持つヒューマノイドだ。
GA RoboticsはロボットプログラミングやAI開発を支援しており、こうした自動化プロジェクトへの適用を提案している。
■Booster Roboticsはダンスとカンフーで魅了
Booster Roboticsのブースでは小型のヒューマノイド「Booster K1」がダンスやカンフーを披露。Booster Roboticsはロボカップの公式パートナーでもある。


また、ブースでは「K1」より少し大きい「T1」も展示。手を振って来場者を迎えていた。

■ヒューマノイドを身近に感じられるEXPO
ヒューマノイドの実機は今まであまり見る機会がなかったが、そのほかにも、ヒューマノイドが多数展示され、身近に感じられる展示会になっている。
リョーサン菱洋のブースでは、模倣学習の体験デモを実施。ヒューマノイド「ugo」を使った遠隔操作の体験が可能だ。


また、センサー付きグローブを使って五指ハンドを動かす体験コーナーも用意されている。(NVIDIA GPU × NVIDIA IsaacによるフィジカルAI実装アプローチとして、遠隔操作による5指ロボットハンドの模倣学習データ取得体験)

■「ヒューマノイドロボットEXPO」開催の経緯
「ヒューマノイドロボットEXPO」の開幕に合わせ、「ヒューマノイドロボットEXPO」事務局長の下田アトム氏が報道陣に向けて第一回開催に至る経緯をコメントした。同氏は、今回の展示会について「フィジカルAI時代の到来と人手不足という社会課題を背景に、ヒューマノイドに特化した展示会として立ち上げた」と説明した。

私達は2017年からAIに特化したイベント「AI・人工知能EXPO」を開催してきて、今年は10周年を迎えました。
最近は、AIがデジタル世界から実世界へ拡張する「フィジカルAI」が注目されています。「AI・人工知能EXPO」関連イベントでも、その現状をしっかりと表現するべきだと考えました。
これからの日本の課題は人手不足、労働力不足です。人と協働できる技術を考えた時に、ヒューマノイドロボットに着目し、フォーカスして開催するのは意義があると感じて、今回、第一回「ヒューマノイドロボットEXPO」として立ち上げました。
ヒューマノイドはまだ“完成された労働力”ではないが、「どこまでできるか」を具体的に示す段階に入ったと言える。
『NexTech Week 2026 春』の「ヒューマノイドロボットEXPO」は4月17日(金)まで、東京ビッグサイトで開催されている。







