2026年4月30日、1Xはヒューマノイドの製造拠点に関する動画をYouTubeで公開した。
米国カリフォルニア州ヘイワードに開設されたヒューマノイドロボット工場「NEO Factory」は、単なる新しい工場ではなく、ロボットの製造そのものを変える転換点といえる。

モーターやバッテリー、減速機、センサーといった中核部品から最終組立までを一貫して内製化し、設計・製造・改良のサイクルを同一拠点で高速に回す。いわゆる“エンドツーエンド”の垂直統合モデルを実現したこの工場は、ヒューマノイドを研究開発の段階から量産フェーズへと引き上げる基盤となる。


すでに生産ラインからは初号機が出荷され、2026年には一般家庭への提供も視野に入る。ヒューマノイドは「展示」や「実証」から「実際に使われる製品」へ――その転換点を示す象徴的な動きと言える。
【この動画が意味すること】
カリフォルニア州ヘイワードに「NEO Factory」が開設されたことは、ヒューマノイドロボティクスにおける大きな転換点を意味する。米国で最も垂直統合されたロボット工場が本格稼働を開始し、ロボットの設計からNEOの製造・組立までの全工程を一貫して自社で完結する“エンドツーエンド”の製造体制を一つの拠点に集約した。これは、ハードウェアとソフトウェア、そして製造プロセスを分断せず、改善ループを高速化するための構造と言えるだろう。
この工場は約5,400㎡規模で、200人以上のチームが稼働。モーター、バッテリー、減速器、センサー、構造体、そして最終組立に至るまで、すべての重要コンポーネントを自社内で設計・製造している。これにより、開発サイクルの高速化、安全性の向上、そして真の意味での米国内スケール生産を実現する。
すでに最初のロボットが生産ラインから出荷されており、一般消費者向けの出荷は2026年を予定。この工場は、汎用的な家庭用ロボットが広く普及する未来を現実へと変える重要なマイルストーンとなる。
■NEO工場で見えたヒューマノイド量産のリアル、「未来を作る現場」が動き出した
1Xは動画「People of Hayward | NEO Factory」も公開している。
ヒューマノイドは、もはや研究室の中の存在ではない。1XのNEO Factory(カリフォルニア州ヘイワード)で語られるのは、「未来を作る」という言葉を現実にしていく現場の手触りだ。最終工程でロボットを組み上げる担当者は、部品が一つずつつながり、最後に“動き出す瞬間”を「言葉にできない喜び」と語る。単なる機械の組立ではなく、プロダクトとして命が吹き込まれる瞬間に立ち会う仕事だ。

工程は細かく分業されている。脚部や関節などをそれぞれの担当が組み上げ、最終的に一体のヒューマノイドへと統合される。その裏側には、「家庭で役立つ存在にする」という明確な目的がある。実際に子育て中の従業員は、「家事を手伝ってくれる存在が必要」という自身の課題と重ねてNEOを語る。つまりこの製品は、技術の実証ではなく、生活課題に対する解決手段として設計されている。

現場に集まる人材の温度感も興味深い。異業種から転じた技術者や新卒人材が「ここでの1年は他の数年分に匹敵する」と語るように、開発と製造が同時に進む環境が急速な成長を生んでいる。世界中から人が集まり、同じプロダクトに熱量を注いでいる構図は、まさに量産前夜の産業の特徴と言える。
ヒューマノイドは「展示」から「製品」へ。そして今、「誰が作るのか」というフェーズに入った。NEO Factoryは、その変化を象徴する現場だ。
■1Xについて
1Xは米国を拠点とするAI・ロボティクス企業で、家庭向けヒューマノイドロボット「NEO」の開発を進めている。前身はノルウェー発のロボット企業で、これまで遠隔操作型ヒューマノイド「EVE」などの開発を通じて、実環境でのロボット運用や安全性の知見を蓄積してきた。現在は、自律性の高いヒューマノイドの実用化に向けて、AIとハードウェアの統合開発を進めている。家庭内での作業支援を主な用途とし、家事や日常業務の補助など、人手不足や生活負担の軽減に貢献することを目指す。安全性を重視した設計思想のもと、量産化と一般家庭への普及を見据えた開発が進められている。
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