日本ゼオン株式会社は、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を運営する子会社Zeon Ventures Inc.を通じて、カナダの高度ロボティクス企業Sanctuary AIへの投資と技術交流を開始した。
投資規模は5000万米ドル。本交流を起点に、ロボティクス分野における新素材開発を加速させる方針だ。
ヒューマノイドロボットの「手」に素材技術で挑む
Sanctuary AIは、汎用ヒューマノイドロボットを開発し、多様な産業分野での実証を進めている企業だ。高精度触覚センシングと小型油圧アクチュエータによる操作能力に、同社独自のフィジカルAIを組み合わせたシステムは、次世代の産業オートメーション基盤として世界的に注目を集めている。
人間の手に近い機能を持つ産業用ロボットハンドの実用化には、触覚レベルの精密さと産業用途に求められる耐久性を両立する材料が不可欠となる。ゼオングループはエラストマー材料技術と試験・評価能力を活用し、Sanctuary AIの製品開発を支援する。これにより、ロボティクス分野における新たな素材需要の獲得と、将来の事業ポートフォリオ強化を図る。
中期経営計画STAGE30で成長4分野に集中投資
ゼオンは中期経営計画STAGE30において「モビリティ」「医療・ライフサイエンス」「情報通信」「GX」を成長4分野と定め、リソースを集中投入している。
同分野における売上高比率を2028年度に48%へ引き上げることを目標に掲げており、今回のSanctuary AIへの投資はその戦略の一環に位置づけられる。