DataRobotは2026年6月2日、Chevron Corporation の子会社であるChevron U.S.A. Inc.と共同で、エージェント型AIをエッジ環境に適用し、Chevronの施設における自律型の巡回・点検業務を支援すると発表した。
ロボット点検の「手動承認」が課題だった
Chevronは空中ドローンや地上ロボットを活用し、世界中で機器の異常状態を巡回・監視している。しかし従来は、ロボットのミッションを実行するたびにオペレーターが手動で稼働状況を検証する必要があり、巡回開始までに人による追加手順と確認時間が発生していた。
今回のプロジェクトはChevronが推進する「Facilities and Operations of the Future」イニシアチブを支援するもので、AIエージェントを活用してロボットミッションの計画・評価・実行を改善することに焦点を当てている。
NVIDIAと連携したエージェントワークフォースが核心
ChevronはDataRobotのエージェントワークフォースプラットフォームを活用し、高度な最適化および推論エージェントによるミッション計画を生成する。ChevronのデジタルシステムにあるNVIDIAの基盤AIソフトウェアおよびコンピュート能力を組み合わせ、センサー分析モデルから地理空間推論モデルまで専門化されたエージェントを連携させる。既存インフラを刷新せずに統合できる点も特徴だ。
さらに、DataRobotのプラットフォーム内の「NVIDIA Inference Microservices(NIMS)」を通じて実現されるSafe Startエージェントが、ミッション開始前および実行中の稼働状況をリアルタイムで評価。既存の有線ガスセンサーや補完的なビジョンシステム、AIモデルを組み合わせ、現地の状況を継続的に検証する。
安全性向上と人的介入の削減を両立
ChevronのFacilities and Operations of the Future program managerであるCari Armpriester氏は「手作業による特定時点での確認への依存を減らし、作業中も継続的に状況を検証することで安全性が向上する」と述べている。
今回の取り組みは、焦点を「ロボットハードウェアの認証」から「環境条件の保証」へとシフトさせることで、監視と統制を維持しながら人の介入を減らし、ロボット巡回・点検のより一貫した展開を支援するものだ。
DataRobotのCEOであるDebanjan Saha氏は「セキュリティ、信頼性、ガバナンスの要件を維持しながら、エッジ環境でのAIによる意思決定を展開できる」と強調している。