東京大学 松尾・岩澤研究室は2026年7月8日、経済産業省・NEDOによる「GENIAC-PRIZE 2026 テーマ2:フィジカルAIに向けた開発者育成(学生)のための公開型の基盤モデル開発 必須課題」として実施する「GENIAC-PRIZE 2026 AI開発コンテスト」の企画運営を担当し、2026年11月頃の開始に向けて参加メンバーの募集を開始したと発表した。
AIが現実世界で行動するフィジカルAI時代の人材育成
AIが現実世界を認識し、判断し、行動する「フィジカルAI」の時代が到来しつつある。政府が2026年3月に策定した「AIロボティクス戦略」では、多用途ロボット市場が2040年に60兆円規模へ拡大する一方、これを担う人材は339万人不足すると推計されており、次世代の開発者育成は国家的な課題になっている。
「GENIAC-PRIZE」は、国内のAI開発力の底上げと社会実装の促進を目指し、成果に応じて懸賞金を授与するプログラムだ。今回のコンテストはその一環として、次世代のLLMおよびフィジカルAI技術を担う若手開発者(学生)の発掘・育成を目的に、チーム戦形式の公開型基盤モデル開発コンテストとして開催される。
賞金総額約3,000万円、NVIDIA B300クラスの計算資源も提供
参加者はLLMを用いて言語指示と環境情報からロボット制御コードを生成する「ロボット操作エージェント」の開発に取り組む。例えば「引き出しを開けて、ボウルを中に入れて」といった指示を理解し、ロボットが適切な動作を実行できる制御コードを生成するAIの開発が課題となる。
評価にはフィジカルAI分野の評価基盤「CaP-X(Code-as-Policy eXtended)」を採用し、Robosuite、LIBERO-PRO、BEHAVIOR等のシミュレータ環境上で開発から評価まで完結するため、実機ロボットの経験がない学生でも最先端の技術開発を実践的に経験できる設計だ。
賞金総額: 約3,000万円(優秀チーム上位3チーム・個人賞・自由課題特別賞など)
開発環境: NVIDIA B300(予定)、シミュレータ用RTX PRO 6000 Blackwellなど総額4億円相当を提供
規模: 最大500名・17チーム(1チーム約20名)を予定
開催期間: 2026年11月~2027年3月(予定)
募集概要と応募締切
対象は12歳以上29歳以下の日本国籍を有する学生(2026年4月1日時点で学校教育法に基づく学校等に在籍する者)。応募締切はチームリーダーが7月31日昼12時、メンバー個人が8月31日昼12時となっている。応募時点でチームを編成する必要はなく、応募者確定後にチーム編成が行われる予定だ。
コンテストの詳細や提供される計算資源、参加準備等に関する公募説明会も2026年7月13日に開催される。参加を検討している学生は、コンテスト特設ページから詳細を確認のうえ申し込むことができる。
LLM開発の経験を生かしたい学生も、ロボティクスやフィジカルAIに関心のある学生も、それぞれの強みを生かして挑戦できる内容となっており、次世代のフィジカルAI人材育成の場として注目される。
ロボスタオンラインセミナー情報
JR西日本が導入した「汎用人型重機」人機一体の金岡博士が登壇
「あまねく世界からフィジカルな苦役を無用とする」。
「汎用人型重機」「多機能鉄道重機」という新たな産業ロボットの概念を切り拓いてきた人機一体の代表、金岡博士がオンラインセミナー「人機一体に聞く「人型重機とフィジカルAI」社会実装のリアル ~人を拡張するロボットの最前線~」に登壇。
JR西日本と共同で開発・実証が進む「人型重機」による鉄道インフラ保守の最前線をご紹介。高所作業や危険作業を人に代わって担うロボットが、どのように現場へ導入され、実際の業務を変革し始めているのかを、具体事例とともに解説します。
また、ヒューマノイドやフィジカルAIの潮流にも踏み込み、人機バイラテラルアームに代表されるマニピュレーション技術の進化、人間の技能のデータ化・再現といった技術的アプローチについても、現場視点で整理します。

先着50名様を無料でご招待します。詳しくはこちら。
ロボットの世界大会「ロボカップ」にもヒューマノイド・フィジカルAIの波
ヒューマノイドとフィジカルAIで変革期を迎える「ロボカップ」の現状を解説するセミナー「ロボカップはヒューマノイド・フィジカルAI時代へ 世界大会2026が示すロボット競技の変革と新潮流」を開催します。

「2050年までにサッカーのFIFAワールドカップ優勝チームに勝てる完全自律型ヒューマノイドチームを実現する」という壮大な目標を掲げて、ロボット競技の世界大会「ロボカップ」は1997年に日本からスタートしました。サッカーは認識、判断、移動、協調行動などAIとロボティクスの要素技術を総合的に必要とするため、研究開発を加速させる共通課題として選ばれました。
その後、レスキュー、ホーム/サービス、産業応用(インダストリー)などへ分野を拡大し、世界中の研究者や学生が参加するロボット・AI研究の国際プラットフォームへと発展しています。
本セミナーでは、ロボカップ日本委員会理事長であり、東京情報デザイン専門職大学教授の岡田浩之先生をお迎えし、ロボカップの歴史と現在地、ヒューマノイド化が進む背景、各リーグの最新動向、そして日本が直面する課題について解説いただきます。
さらに、韓国で2026年7月に開催される「RoboCup 2026世界大会」の現地レポートとして、写真や動画を交えながら、世界大会の最前線で何が起きているのかをご紹介いただきます。
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