デジタルハリウッド サービスロボティクス専攻(ユカイ工学)の授業が行われました

2月1日、デジタルハリウッド サービスロボティクス専攻の授業が行われました。今回の講師はユカイ工学の青木さん。講義内容は、「Boccoの紹介と、ロボットスタートアップが作るロボット像のあり方、そして今後の展望」です。

関連サイト
ユカイ工学

まずは、ユカイ工学の創業者社長である青木さんの自己紹介から。



学生時代の仲間と起業したのがチームラボ。こちらで7年ほどCTOをされていました。次のpixiv(当時の社名は CROOC, Inc.)でも創業メンバーとして参加。この時にロボットを作りたいと思い、週末のプロジェクトとしてユカイ工学をスタートされたそうです。



ユカイ工学は、新宿にある社員20名ほどの会社。BOCCOの開発・販売を行っており、これ以外にも個人で使えるキットの製造販売や企業とのコラボレーションも行っています。

ロボット製作に必要なハードウェアからソフトウェアまでのスキルを、各社員が色々と幅広く持っています。Maker Faireに出ているようなエンジニアの多い会社と表現するとイメージがわいてくるかもしれません。社内には試作機を作れる設備も全て整っています。

会社のビジョンは、2025年 ロボットがすべての家庭に1台ずつある世界。会社を一言で言うと、コミュニケーションとロボットに関わる製品を作る会社です。



次にBOCCOを企画するところから販売するところまで、時系列での具体例を添えて説明頂きました。

一番最初に企画を始めたのは2014年8月。この時の企画書には以下の項目とその内容が盛り込まれていました。授業では実際の内容をスライドで見ながら進行しました。

・プロダクトの目的
・ネーミング
・デザインのポイント
・販売戦略

続いて、どのように今のBOCCOの形が決まっていったか。実際に検討されたデザイン案のスライドを見ながら、ポイントである「コミュニケーションの機能を大事にする」点が、どのデザインだと実現できるのかを解説頂きました。

その後、2015年7月の出荷開始に向けて社内で行われていったことの説明です。出荷に向けて、予想以上の様々な種類の仕事があることを知りました。



授業の後半戦では、ロボットに関するテクノロジーを俯瞰した以下内容のお話です。

・プロダクトデザインの手法
・テクノロジーの進化の例
・ロボット関連テクノロジー
・テクノロジーの進化のまとめ

その時々のテクノロジーに密接して各時代を象徴するロボットが誕生してきたことが分かり、頭の中が整理された感覚です。



最後の質疑応答では以下のような質問が出ました。

・BOCCOを企画した際、捨てた機能があれば教えて下さい。
・BOCCO本体は売り切りですが、台数が出るとサーバー費用もかさむと思います。この点についてどういう戦略をお持ちか教えてください。
・BOCCOの機能を絞り込んでいく過程で、社内ではどのような議論がされましたか?
・どうしてBOCCOには動く腕がついていないんですか?
・ロボットでのキラーアプリは何だと思いますか?
・「ロボットと死」について、お考えを聞かせてください。

今日の講義は以上です。授業で何回か出てきた青木さんからのメッセージは「みなさん、ツクモRobot王国は絶対行って下さい」「CEATEC JAPANも絶対行って下さい」です。みなさん、それぞれ足を運びましょう。

みなさまお疲れ様でした。

ABOUT THE AUTHOR / 

北構 武憲

本業はコミュニケーションロボットやVUI(Voice User Interface)デバイスに関するコンサルティング。主にハッカソン・アイデアソンやロボットが導入された現場への取材を行います。コミュニケーションロボットやVUIデバイスなどがどのように社会に浸透していくかに注目しています。

PR

連載・コラム