鈴茂器工は、2024年5月16日にパシフィコ横浜で開催された国際ロボット会議「ICRA2024」において、新たに取り入れられた競技、食品の盛り付けにチャレンジ「Food Topping Challenge」(FTC)に機材協賛企業として「ご飯盛り付けロボットFuwarica」の提供とともに、審査員として同社の社員である宇佐公隆氏が参加、その模様を伝えるレポートを発表した。(以下、宇佐公隆氏によるレポートより)
「唐揚げのPick&place」「いくら丼の盛付け」の2競技を開催
ICRAとはロボティクスとオートメーションの国際会議で毎年5月~6月に開催されているロボット工学分野でトップレベルの国際会議である。今年は15年ぶりに日本での開催となり2024年5月13日~17日に神奈川県横浜市の「パシフィコ横浜」で世界各国からのロボット技術の最新研究成果が発表されており会場内の公用語は英語だ。
Food Topping Challengeは展示部門の企画の1つとして、「唐揚げのPick&place」と「いくら丼の盛付け」の2競技が行われた。
当社は今回競技の幹事企業である株式会社アールティと、のり巻き機とアールティ社Foodlyを連携させた省人省力システムでの協業実績があり、その縁でいくら丼盛付け競技において、ご飯盛り付けの安定性と品質の点からもFuwarica(GST-RRA)が評価され、機材協賛することとなり、宇佐公隆氏自身も本機開発当初から携わっている者として競技大会の審査員を務めることになった。
デモンストレーションではロボット動作の制御を重視したモノや、食材を掴むハンドに拘りを持ったモノ、本来は食感を感じ取るジェル性の入れ歯型部材を用いたモノ等、バラエティーに富んだ実演が行われ、会場は何重にも重なる聴講者に溢れていた。
審査においては個数や時間等の定量的な客観的データに加えて、実用化に向けた自動化への貢献度、ミスによるフードロスの観点、独創的な技術力、将来を見据えたロボット業界への貢献期待度等を5人の審査員で何度も議論を重ねた。
ロボット技術の産業化、食品業界での実用化という観点では、「いいところまでは進んでいるが、もう一歩二歩の工夫が必要。まずは使える技術を業界に発信、現場で実装して、業界全体での意識改革が必要」と感じた。
また今回発表された技術は食品工場だけに留まらす、飲食店やオープンスペースでも活用されることで、子供たちがロボットに興味を持ち、ロボット技術を更に発展させる未来の仲間を数多く増やしていきたいと考える。
開発者によって、アプローチが多種多様であったことから同じ目的を達成するためでも解決の手法は多様にあると感じた。
ご飯盛り付けロボットFuwaricaシリーズ
Fuwaricaシリーズは、様々な業種業態のご飯提供シーンのニーズに応えられる豊富なラインナップを揃えており、ご飯盛り付けロボットシェアNo.1(出典:富士経済「労働人口不足の未来予測から見たロボット潜在需要に関する考察」米飯盛り付けロボット 販売数量・金額 2022 年実績)を獲得し、業界でも注目を集めている。
鈴茂器工は同社が掲げる『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』というビジョンのもと、食の分野における様々な社会課題の解決を目指すとともに、新たな事業や製品・サービスを創出し、「事業者」や「消費者」の皆さまへ食を通じた新しい価値の創出を目指し取り組んでいくとしている。