「日本ディープラーニング協会」設立、ディープラーニングで日本の産業競争力の向上を目指す!2020年までに3万人の技術者育成が目標

2000年代から続く第三次AIブームの火付け役となったディープラーニングは、急激な進化を遂げ、未来の技術と思われていた自動車の完全自律走行も、概ね2025年頃に実用化が見込まれ、世界のディープラーニング市場は2024年までに400億ドル(約4.4兆円)を越えると予測されている。

米国や中国などのインターネット関連企業は、ディープラーニングに対する多大な投資を行って成果を上げているが、日本では技術に対する理解や事業者不足、人材不足等の理由により、他国と比べ導入が遅れている。

そこで「ディープラーニング」を事業の核とする企業および関係する研究者が中心となり、日本の産業がディープラーニングをより有効に活用し、産業競争力を高めることを目指し「日本ディープラーニング協会」(英称:Japan Deep Learning Association)を設立した。

ABEJAやNVIDIAなどの企業が参加し、トヨタ自動車が賛助会員に名前を連ねた。(会員情報はこちら)


組織体制・運営体制(※クリックで拡大)




協会の活動概要

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産業活用促進

カンファレンスやワークショップ等のイベント開催(主催・共催・協賛等)を通して、産業応用事例や導入課題と対策等、産業が必要とする情報を提供。また、分野ごとのワーキンググループを設置し、分野特有の課題(技術課題や法的課題等)を整理し、解決を目指す。


公的機関や産業への提言

業界の健全な発展と倫理的側面を考慮し、公的機関および産業界に対し、提言を行う。


人材育成

ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材(ジェネラリスト)と、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を持つ人材(エキスパート)の育成を目指す。


国際連携

ディープラーニングの社会実装における倫理的、法的、社会的課題に関して、国内外の関係機関と連携し、議論に参加することで、海外の取り組みや考え方を国内に発信。同時に国内の活動を海外にも発信する。


社会との対話

「人工知能」と総称され、現段階でできること・できないことが曖昧になることで、過剰な期待や過大な心配が生まれつつある社会に対し、情報発信や社会との対話を通し、ディープラーニングに対する懸念や期待を相互に学びあう場を形成する。




検定・資格概要

2014年、英オックスフォード大学 マイケル・A・オズボーン准教授が「10年後、AIが半数の仕事を奪う」というセンセーショナルな研究を発表するなど、技術革新により、人に求められる能力は全般的に大きく変わろうとしている一方、教育機関や民間事業者による人材育成は、ディープラーニングの急速な進化やそれにともなう産業界からの需要に追いついていない実情がある。

同協会では、ディープラーニングを使いこなすために必要なスキルと、学ぶべき内容を定義することで、ディープラーニングを学びたい学生や社会人の指標となることを目指し、その技能を認定する「資格試験」や「教育認定機関制度」を通して、人材育成への貢献を行う。


検定・資格試験


各々に必要な知識やスキルセットを定義し、資格試験を行うとともに、協会が認定した事業者がトレーニングを提供。各々年二回実施予定。日進月歩する技術であることから、検定・資格実施年毎に実施年号が付与される。(※クリックで拡大)



教育認定機関制度


JDLA認定プログラム」は、高等教育機関や民間事業者が提供する教育プログラムで、同協会が別途定める基準およびシラバスを満たした認定講座。受講を修了すると、E資格の受験が可能となる。

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ロボスタ編集部

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