Webの膨大な情報と深層学習を使って成長する次世代音声対話AIシステム「WEKDA(ウェクダ)」をNICTが開発中

近年、注目を集めている音声対話システムの多くは、「もしユーザがXXと言ったら、XXと答える」といった対話のルールをあらかじめシナリオとして多数用意し、ユーザの入力に応答するものだ。しかし、この方式では想定されたトピックに対してのみしか、意味の通る応答ができないという問題がある。

情報通信分野を専門とする唯一の公的研究機関であるNICTのユニバーサルコミュニケーション研究所 データ駆動知能システム研究センターでは、対話ルールに書かれたタイプの入力に対してしか応答できない点を解決し、多様な入力、トピックに対して価値ある情報を提供することを目的として、ユーザの多様な音声入力に応答する次世代音声対話システム「WEKDA(ウェクダ)」(WEb-based Knowledge Disseminating dialog Agent)の開発に取り組んでいる。


「WEKDA(ウェクダ)」とは

「WEKDA」は、ユーザの音声入力に応じて、NICTが一般に試験公開している大規模Web情報分析システムWISDOM X用の質問を自動生成し、WISDOM Xが40億件以上のWebページから発見する回答を用いて応答を行う。同時に、利用者が自然な文を入力すると、入力文の意図を解析し、様々な話題やトピックに関して対話を展開できるシステムだ。

■ Web情報分析システム”WISDOM”



従来の対話システムでは、例えば「臓器移植って難しいね」という発話(入力文)に対して、「臓器移植は高度な技術ですね」というような、当たり前の情報を基にした応答が多いが、同システムでは、「臓器移植で最大の壁となるのが、人体の免疫機構による拒絶反応だ」というような、ユーザが知らない可能性の高い情報も応答として返すことができる。また、回答を生成する際に基にした情報のURLを「情報源」として表示するとともに、URLをクリックすることにより、回答が抽出されたページや元のテキストも確認できる。



応答を作成する処理や対話の詳細はこちらから
http://www.nict.go.jp/press/2017/10/24-1.html




今後の展開

今後は、ユーザの入力に対して、どういった質問を生成するかをコントロールすることで、高齢者ケアから教育、仕事上のヒント等に、よりフォーカスした対話を行えるよう、目的やユーザに関する知識を持たせ、それに基づいて対話を行えるようシステムを拡張するとのことだ。

また、各個人の状況や好みに応じて、様々な活動に役立つ知識や、新しい可能性を開くヒントを何気ない雑談を介してわかりやすく提供し、各個人の潜在的能力を最大限に発揮してもらうための全く新しい技術へと進化させていくとしている。


なお、同システムは10月26日(木)~28日(土)に開催される「けいはんな情報通信フェア2017」にて公開予定だ。

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ロボスタ編集部
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