小中学生がPepperを使って身近な問題を解決!プログラミング教育の成果発表会レポート (1) Pepper社会貢献スクールチャレンジ

1年弱でここまでPepperのプログラミングをマスターできた。
そしてプレゼンテーションでは、堂々と、解りやすく観客に語りかけた。
子ども達が持っている可能性には、いつも驚かされる。

2020年からはじまる予定のプログラミング教育。
それに先駆け、全国の小中学校に向けて「Pepper」を3年間無償で貸し出す「Pepper社会貢献プログラム スクールチャレンジ」をソフトバンクグループが実施している。初年度となる2017年度、プログラミング教育の成果発表のイベントとして、2月11日に開催されたのが「プログラミング成果発表会」だ。


その概要は既報「【速報】全国の小中学生がプログラミング学習の成果を競うPepper社会貢献「スクールチャレンジ」発表会開催!ソフトバンク」の記事を見ていただくとして、今回は実際に小中学生がPepperを使って、どのような問題解決に取り組もうとしたのか、どんなプログラミングを行なったのか、そしてプレゼンテーションの様子を紹介しよう。


「プログラミング成果発表会」は全国から小中学生48チームが参加。小学生部門、中学生部門、部活部門の3つで競われた。


児童や生徒たちはPepperで解決したい課題や問題に対し、自分たちが開発したプログラムを使ってPepperの実演デモと説明を行う。小学生部門と中学生部門には「○○に役立つ Pepper」、部活部門には「○○を笑顔にする Pepper」というテーマが与えられた。


では、銅賞を受賞した3チームから紹介しよう。


みんなの学力アップに役立つPepper

小学生部門の銅賞を受賞したのは、福岡県飯塚市の上穂波小学校。
テーマは「みんなの学力アップに役立つPepper」。


「学校生活の中でPepperを活用してどんなことができるか」をみんなで検討した結果、漢字ドリルの読みのテストを定期的に行うことで学力アップに繋げたいという意見が多く出たと言う。
Pepperを相手に、毎日、好きなタイミングで漢字ドリルの読みのテストを行うことで学力アップに繋げる試みだ。廊下にPepperを配置し、誰かが通りかかるとPepperが反応して「こんにちわ、漢字検定しませんか?」と薦めて、Pepperのタブレットに表示した漢字を読んでPepperが採点するプログラムだ。
生徒の回答は発話で行うため、Pepperが聞き間違いを起こし、それが会場の笑いを誘っていた。

Pepperのデモ。設問は「統一」で、「とういつ」と回答しているのにもかかわらず、Pepperは「ちがいます、正解はとういつです」と言って笑いを誘った

デモの後はプログラミングの解説が行われた。
プログラミングでは3つの機能に着目したと言う。ひとつめは「Pepperの方から演習に誘ってくれる機能」。プログラミングのコマンド「GoTo」や「BasicAwareness」を使って工夫した点などの解説が行われた。

プログラミング上は、回答者の発音に左右されずにPepperが正解を聞き取れるように、「とういつ」の場合は「とーいつ」「とおいつ」など複数パターンを入力する工夫をした、と言う

更に「Pepperと自然に会話しながら学習できる機能」を追加した上で、クラスのみんなにPepperによる漢字検定を体験してもらったところ、「採点して褒めてくれる機能」を追加して欲しいという要望が出たため、それに答えることにしたと言う。プログラミングのしくみや工夫した点がとても上手にプレゼンテーションされているので、ぜひ動画でも確認して頂きたい。



買い物をenjoyするために役立つPepper

中学生部門の銅賞を受賞した岡山県新見市の新見第一中学校は「買い物をenjoyするために役立つPepper」を発表した。


スーパーマーケットでよく見かける光景として「ママたちが会話している最中に子どもが泣いている」イラストを提示し、もしもこの場所に子どもをあやしてくれるPepperがいたら・・・お母さんの目の届くところにいれば危険が少ない、Pepperと遊べて子どもも楽しい、お母さんが助かる、の3拍子のメリットがある、と考えたと言う。


更に、主婦に実施した料理に関する悩みのアンケート結果では70%が「毎日、食事に何を作ろうか悩む」と回答。これを反映して「買い物をenjoyするために役立つPepper」では、子どもをあやすだけでなく、食材に応じてオススメ料理をお母さんに教えてくれる機能や占い機能も盛り込んだ。



コンシェルジュがいなくて困っている人を助けるPepper

部活部門の銅賞を受賞したのは東京都町田市の本町田東小学校のパソコンクラブ。
本(書籍)のジャンルやカテゴリーからオススメのタイトルを紹介する機能を持ったPepperだ。また、Pepperが英語が話すことができて発音も良いことから、英語での会話にも対応した。外国人やインバウンド観光客にも図書館を利用してもらいたいという思いからだ。


カテゴリー機能、ギャラリー機能、日本語と英語バージョンを用意することなどに工夫を凝らした。


図書館を訪れた人に「Pepperに親しみを感じてもらいたい」という想いからの工夫も、動画では紹介されている。



図書館・読書活動の活性化に役立つPepper

次に銀賞を受賞したチームを紹介しよう。
小学生部門の銀賞を受賞したのは岐阜県岐阜市の梅林(ばいりん)小学校。
こちらも図書館が舞台。図書館の悩みは貸し出しの冊数が伸びていないこと、月ごとに貸し出し冊数が安定していないこと、借りる分類に偏りが大きいこと、などがあげられた。


そこで、Pepperが「図書委員のオススメ」や「先生たちのオススメ」の本のタイトルを紹介したり、クイズもできるようにプログラミングを行った。



実際に設置した効果も紹介されたが、素晴らしい成果を達成していた。



来校者対応に役立つPepper

中学生部門の銀賞を受賞した栃木県下野市の南河内第二中学校のテーマは「来校者対応に役立つPepper」だ。
学校を見回したとき、学校職員用の玄関の入口がどこか解らない、玄関に入ってもどっちが職員するかが解らない、など来校してくれた人にとっては案内板などがなく、とても解りづらいことに着目した。


そこで、周辺施設の表示、校内マップ・案内、プロフィール、学校案内を行うことにした。Pepperのタブレットを使い、スライドや写真を用いて施設や体育祭の様子なども紹介できる。


また、顔認証も導入し、顔を記憶する機能も盛り込んだ。よく来校するPTAなどを識別することもできる。また、Pepperを人間らしく感じてもらうため、3秒ごとにLEDが瞬きもする工夫を入れた。



毎日の生活を健康で笑顔にするPepper

部活部門の銀賞を受賞した和歌山県かつらぎ町の笠田(かせだ)中学校は、デモでPepperとの掛け合い漫才を行った。


このテーマを選んだ理由は「笑いが健康を招く」という考えからだ。ステージでの発表によれば「若くて健康な人にも癌細胞が発生していて、その癌細胞を身体の中で退治してくれるのがナチュラルキラー細胞・・その細胞の活性化に大切なのが”笑い”」だという。彼女たち関西人にとって、笑いの代表は漫才だとした。Pepperと漫才をすることで周囲を健康で笑顔にするのが目標だ。


動画ではPepperによるシュールなギャグとボケが思う存分楽しめる。

金賞を受賞した3チームは次回、プレゼンテーションとデモンストレーションをできるだけ長い動画でお届けする予定なのでお楽しみに。

>小中学生が考えたPepper活用の金賞3作品!プログラミング教育の成果発表会レポート (2) Pepper社会貢献スクールチャレンジ」につづく。

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神崎 洋治
神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

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