エアバスのロボット「CIMON」今年6月より国際宇宙ステーションへ 宇宙飛行士のストレス軽減と効率改善に期待

ドイツの宇宙飛行士であるAlexander Gerst(アレクサンダー・ゲルスト)は、今年6月より、ISS(国際宇宙ステーション)にて2度目の任務に着手する。その任務でサポートをするのが、エアバス社が開発した「CIMON」だ。「CIMON」とは「Crew Interaction Mobile Companion」を略して名付けられた名だ。重さ約11ポンド(5kg)のボールサイズのロボットなのだという。

CIMONは移動可能でインタラクティブな宇宙飛行士を支援するシステムとして、ドイツ航空宇宙センター(DLR)から委託されたエアバス社によって開発されている。

CIMONは、IBMのWatson技術を使用して、ゲルスト宇宙飛行士の3つの作業(結晶の実験、ルービックキューブの組み立て、複雑な医療実験)を支援する。それぞれ、移動するカメラとして撮影を行いながら、対話でのサポートもしていくという。



CIMONのディスプレイには顔が映っている。少し奇妙な顔という印象を受けるが、彼が乗組員にとっての同僚となるのだ。共同作業をして、宇宙飛行士の実験のチェックリストを管理し対話をする。宇宙飛行士のストレス軽減と効率改善に役立つのではと予測されている。

CIMONは現在、環境を認識し、人間との交流を行うための訓練を受けているという。宇宙での知識を身につけ、音声および画像処理能力を高めるよう学習している。

過去にはトヨタ自動車も、電通、東大先端研、ロボ・ガレージらと共に「KIBO ROBOT PROJECT」を発足。同プロジェクトで生まれたロボット宇宙飛行士のキロボは2013年8月10日からISSに滞在し、若田光一JAXA宇宙飛行士と共に、世界で初めてとなる「宇宙での人とロボットとの対話実験」に成功している。

JAXAも昨年、「きぼう」日本実験棟にて、自律移動型船内カメラ「イントボール」による撮影を行う実証実験を行なっている。こちらは球形のドローンであり撮影がメインだが、今回のCIMONは作業の支援も行う。

宇宙兄弟のブギーのように、ガンダムのハロのように、宇宙空間で人をサポートするロボットの開発は、着々と進んでいる。

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Hello, I am CIMON!

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