分身ロボットOriHimeでお仕事体験、夏休みに特別開催 カフェで接客体験、参加者募集

オリィ研究所は、2025年8月上旬より計6日間「OriHimeお仕事体験プログラム」を実施する。プログラム実施にあたり、2025年6月25日〜7月16日の期間に参加者を募集している。

尚、「OriHimeお仕事体験プログラム」は東京近郊に住む、就労意欲のある肢体不自由者の方を参加対象として実施する。

お仕事体験プログラム実施の背景

障害を持つ子どもたちが通う「特別支援学校」は必要なケアや配慮を受けることができる学校だが、この学校を卒業した後の進路として、特に肢体不自由の方たちは社会福祉施設への入所・通所が多く、進学率・就職率が低くなっている現状がある。卒業後の新たなステージを選ぼうとする際、「その場に身を運べない」ために選択肢が狭くなり、社会との関わりが少なくなってしまうという課題が存在している。

オリィ研究所ではそのような状況に対して、分身ロボットOriHimeを使った就労や就学で肢体不自由児の将来の選択肢を広げることを目指して、2021年度に実証実験を実施。さらに、2022年度よりバイオジェン・ジャパン社の支援を受けて、キャラバンカフェ実施都市にてOriHimeを活用した遠隔就労体験を行ってきた。

お仕事体験プログラムの概要


今年からは、オリィ研究所の企画として、従来のプログラムを大きく刷新した「OriHimeお仕事体験プログラム」を展開する。

本プログラムは「研修」「実践」「振り返り」の3ステップで構成されており、参加者は自宅などからOriHimeとオンライン会議システムを使ってプログラムを進めていく。実際に分身ロボットカフェに訪れる必要はなく、プログラムはすべて遠隔で参加可能だ。


お仕事体験プログラムの特徴

自宅からタブレットやPCでOriHimeを遠隔操作


1日目~3日目はZoomやOriHime越しに、先輩パイロットからトレーニングを受ける。4日目からはパイロットとしてデビュー。先輩に横で見守られながらOriHimeを遠隔操作して、実際に利用客をもてなす。

参加者1名に先輩パイロット2名がついてトレーニング


研修では参加者1名につき、先輩パイロット2名がついてトレーニングを行い最初から最後まで同じ先輩パイロットが担当する。先輩パイロット自身も支援学校出身者であったりと各々強い思いを持っている。

スモールステップで安心して挑戦できるプログラム


「発声の仕方」「初対面の相手に対する声掛け・挨拶・敬語の使い方」、「カフェのしくみ」「店員として働く心構え」など、基礎的なスキルの習得からスタートする。先生や保護者以外の人との関わりは少ない方も安心して参加することができる。

お仕事体験プログラム募集要項

参加対象 東京近郊に住む就労意欲のある13〜18歳の肢体不自由者
参加条件 「OriHimeを使って仕事をしてみたい」という強い意欲があること
新しいことに積極的にチャレンジしたいと考えていること
保護者の方の同意が得られること
インターネット環境とZoomが使えるPCまたはタブレットがあること
ご自宅や学校でのOriHime操作時に、PC操作を補助できる保護者や先生がいること
実施日程全てに参加できること
メディア取材が入ることにご理解いただけること
期間 2025年8月上旬より、計6日間+自主練期間を実施予定
(詳細日程は、本プログラムWEBサイトで確認)
場所 自宅などインターネット環境がある場所
OriHime、Zoom等で参加
募集期間 2025年6月25日〜7月16日 17:00
予定
参加者決定連絡 2025年7月18日予定
募集人数 若干名
選考について 応募者多数の場合は選考を実施。

※応募時に「お仕事体験への意気込み」を30秒程度の動画でアピールして熱い気持ちを聞かせください。


協賛企業について

「OriHimeお仕事体験プログラム」は下記の協賛企業の支援を得て実施されている。

特別協賛  川田テクノロジーズ株式会社
日本電信電話株式会社
バイオジェン・ジャパン株式会社
ロイヤルホールディングス株式会社
協賛 川田テクノシステム株式会社
共和メディカル株式会社
大日本印刷株式会社


今後の展開

2025年度のお仕事体験プログラムは今回の実施にとどまらず複数回の実施を予定しており、また、本プログラムが「体験」で終わらず、未来のキャリアにつながるような展開を計画しているとのことだ。
オリィ研究所では、より多くの肢体不自由の中高生が「働くこと」を当たり前の選択と捉え、未来を描ける社会の実現に向けて挑戦し続けるとしている。

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ロボスタ編集部

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