「疲れの見える化」東京ガスら実証実験開始 センサー・IoT連携で「隠れ疲労」の発見へ向け

法人向け健康見守りサービスであるライフリズムナビ+Dr.を提供するコナビスタ株式会社は、同サービスを一般の家庭向けにサービスを拡張することを想定し、日々の暮らしの中で取得できるデータから毎日の疲労状態に関する分析や見える化、ならびに毎日の元気につながるソリューション提案の検討に際し、東京ガス株式会社と、共同で実証実験を行うことを発表した。

同実証実験では、対象者に配布する計測用のセンサー・IoTデバイスなどから睡眠を含む日常生活上のデータを取得・解析し、「疲労の見える化」を目指す。エコナビスタは同実証実験で得られた結果を東京ガスと共同で検証し、これまで培ってきた両者の知見を組み合わせることで、一般の家庭向けとして、毎日の暮らしの中で疲労の改善につながるソリューションの検討を行う予定だ。



法人向けサービス 「エコナビスタ」とは

エコナビスタは有料老人ホーム等法人のお客に対して、IoTデバイスを活用したクラウド型健康見守りサービスを2016年11月より運用している。導入床数は約1千台で、多くの高齢者施設で発生する様々な日常生活のデータを取得している。取得された膨大なビッグデータは、医学的根拠に基づいた独自のアルゴリズムによって解析の上、専門医と連携することで高齢者の日常生活のQOL向上の支援を行っている。



一般向けの「隠れ疲労と疲労の見える化」とは

疲労やストレスが生活習慣病などの疾病にどう影響するかの研究は広く多くされているが、疲労そのものは個人の主訴という主観的な側面でしか評価するしかなかった。そこで1991年に厚生省(現厚生労働省)が疲労に関する研究班をスタートさせた。

研究のテーマのひとつが「疲労の定量化」だ。これは「疲労の度合いを客観的な数値で表す」つまり「疲労の見える化」が研究の大きなテーマとなっている。この研究を連綿と引き継ぐ形で、現在は大阪市立大学疲労医学講座、2005年設立の日本疲労学会等、多くの機関で研究が続けられている。

つまり疲労を客観的数値で見える化できれば、疲労感なき疲労、つまり「隠れ疲労」の発見につながり、疲れ過ぎによる「過労死」を未然に防ぐことも期待されるということだ。

今後、疲労の「見える化」がされたら、疲れの原因がもっと個々人でも分かるようになり、医療の早期治療にもつながるかもしれない。

ABOUT THE AUTHOR / 

山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

PR

連載・コラム