ホンダがASIMOの開発を終了!二足歩行ロボットの先駆的なプロジェクトに幕 ~先進機能のまとめ動画~

本田技研工業(ホンダ)が「ASIMO」(アシモ)の開発を終了、開発チームも解散。
というショッキングなニュースが流れました。NHKが報じたところによれば「大手自動車メーカーのホンダは、開発を続けていた2足歩行の人型ロボット「アシモ」の開発をとりやめていたことがわかりました。今後は介護支援などより実用的なロボット技術の開発に力を入れる方針」とのことです。日本の二足歩行ロボット技術を牽引してきたプロジェクトが幕を下ろしたことになります。


歩いている人を避けながらの歩行、凹凸面の踏破、3人が話したことを同時に聞き取る技術、オフィスの玄関で来客を出迎えして案内する技術、プレゼンテーション、手話、水筒を開けるなど、今見てもASIMOの先進的な技術が紹介された動画も公開されています。今見ても先進的なものばかり、このプロジェクトの価値を理解している人々から開発終了を惜しむ声が多数上がっています。

■ ASIMOのビックリするほど先進的な機能のまとめ動画(Honda Motor公式)

ホンダは昨年、カナダで開催されているロボット産業の展示会「IROS 2017」で、ASIMOとは別の二足歩行ロボットのプロトタイプ「E2-DR」を発表していることもあり、今後は用途や目的がはっきりとしたロボティクスの開発にシフトしていく考えなのかもしれません。


災害救助ロボット「E2-DR」は高さ1.68メートル、重さ85キロのサイズ。自由度は腕1本あたり8、脚1本あたり6、胴体2、手および頭など1で合計33自由度。バッテリーはリチウムイオン電池で90分稼働可能です。最大の特徴は身体の厚さがわずか25センチだということ。30センチの隙間があれば、そこから潜り込むことができます。光ファイバー用の標準通信ケーブルを8倍小型化することで、ロボットの薄型・小型化が実現しています。


二足歩行ロボットの歴史を切り拓いた「ASIMO」

日本の代表的なロボットと言えば、ホンダの「ASIMO」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
2014年4月、米国のオバマ大統領が来日した際、日本科学未来館を訪れました。そこではASIMOが出迎え、「Mr. President, I am ASIMO, a humanoid robot. It is a pleasure to meet you.(大統領、私はヒューマノイドロボットのアシモです。お会いできて光栄です)」と英語で挨拶をしました。そして片足でジャンプをしたり、大統領とサッカー(ボール蹴り)をしました。この様子がニュースとして報道され、動画サイトやSNS、ブログを通じて海外でも大きな話題となりました。

ホンダのヒューマノイドロボット開発の歴史は1986年に遡ります。当初、二足歩行原理の研究用に作られた「E0」は人間で言うと下半身部分だけでした。ホンダのロボット開発の歴史については同社のホームページに詳しく記載されていて、誰でも閲覧することができます。
「E0」は直線での静歩行が中心で、一歩進むのに15秒もかかりました。静歩行とは重心が足裏の範囲に入るように歩くことで、対して動歩行は身体の勢いを使って重心を足裏以外にも移しながらスムースに歩くことです。

完全自立人間型の2足歩行ロボットが完成したのはそれから10年余を経た1997年のことです。「P3」と名付けられたそのロボットは全高1,600mm、重量130kgで、それまでのロボットより小型軽量化がはかられました。そして2000年、更に小型化したASIMOが誕生します。ASIMOとは、Advanced Step in Innovative Mobilityの頭文字をとったもので「新しい時代へ進化した革新的なモビリティ」という意味です。サイズは全高(身長)130cm、重量48kg、奥行34cm、横幅45cmと更に小型化がはかられています。

2001年にはレンタル事業用ASIMOが発表され、階段やある程度の斜面の移動が可能になりました。2002年には自律的に行動できる知能化技術を搭載、顔を認識して名前を呼ぶなど人応答機能が実現しました。また、インターネット接続による情報提供や案内サービスも可能になりました。
現在では更に改良や新機能の追加が行われ、時速9kmで走ったり、ジャンプしたり、凹凸路面を歩く、ワゴンを押しながらの歩行する、トレイを持って歩く、トレイを相手(人)に確実に渡す、人やASIMO同士ですれ違う際にぶつからないように避ける等が可能となっています。更に水筒を握ってふたを開け、紙コップに水を注いだり、手話表現もできます。認識能力も向上していて、3人が同時に発する言葉を聞き分けることができるようになりました。


当初は人間が歩行するメカニズムの研究のために開発が始まったASIMOですが、人間とコミュニケーションをはかる機能も持ち始め、成長が楽しみでした。しかし、ASIMOとしての開発はこれで中止となり、培った技術は別の分野に活かされているということです。


(※一部 「Pepperの衝撃!パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(神崎洋治著 日経BP社刊)より引用)

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ロボスタ編集部
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