HAL先端ロボット開発学科の学生ら、ユカイ工学と共に産学連携プロジェクト 最終成果発表会レポート

BOCCOやQooboなどのロボットを企画・開発するユカイ工学は、IT・デジタルコンテンツ分野の専門学校HALと共に産学連携プロジェクトを行なってきた。その最終成果発表会が、7月31日、HAL東京にて開催された。その模様の一部をレポートしていく。

今回の産学連携プロジェクトのテーマは、小学校低学年以下の子供達をターゲットとした「教育用ツールの企画・開発」を行うこと。参加したのは、HAL先端ロボット開発学科の4年生たちで、約3ヶ月間、4〜5名のチームにより、テーマに沿った企画から開発までに取り組んできた。その成果物が、最終成果発表会で発表された。


3ヶ月の間、プロジェクトに取り組んできたHALの学生達

ユカイ工学は、親子のコミュニケーションを促進するロボット「BOCCO」とその開発環境を学生に提供。技術的なアドバイスに加えて、「ユカイ」なプロダクトの企画・開発のためのアドバイスを行なってきた。



開発プラットフォームとしては、「Raspberry Pi3」や「ESP」、ユカイ工学のフィジカルコンピューティングシステム「konashi」が使用された。

HALの生徒たちは、東京・大阪・名古屋に分かれて企画・開発に取り組み、7月中旬に中間発表、7月31日に最終発表会を開催。ユカイ工学が審査を行うとともに、アイデアと技術のフィードバックを行なった。



クイズ装置やパズルゲーム、お絵かきボードなどユカイなプロダクト

最終成果発表会当日、HAL東京・大阪・名古屋チームのプロダクトがそれぞれ展示・発表された。

大阪から参加したのは2チーム。「音声ドリル」と「目標達成ボタン」をBOCCOのシステムと絡めて提案した。特に目標達成ボタンは子供のモチベーションに繋がりやすい仕掛けであり、子供をもつ審査員からも高評価だった。


HAL大阪 Bチームの目標達成ボタン

名古屋から参加したのは4チーム。○×問題に正答すると宝箱が開く仕掛けになっているクイズ装置や、実物のキャラクターをアプリのプログラムで動かすボードゲーム、書いたテキストが画像としてチャットルームに送られるお絵かきボードなどが展示された。特にお絵かきボードのインターフェースは「非常に可能性がある」「子供にとっても面白いと思う」と高評価だった。


HAL名古屋の福田チームが開発したクイズ装置も評価が高かった

東京からは3チーム。LEDが光る自作のカードゲームを開発したチーム、ブロックの組み合わせで音声出力する教材、NFCタグで物語を音声出力する絵本デバイスが紹介された。特に東京チームは「開発が楽しかった」と語る姿が印象的だった。


絵本デバイスの紹介をするHAL東京の「スマイル」チーム

HALの学生は最新の開発環境を存分に活かしながら、ハイレベルなプロダクトの開発にこぎつけた。



審査結果は果たして

最終成果発表会では、ユカイ工学から「ユカイ賞」、「BOCCO賞」など計4つの賞が用意された。

そして、そのユカイ賞に見事輝いたのは、HAL名古屋から参加した「牧野班」。同チームが開発したのはお絵かきボード。BOCCOと組み合わせたプロダクトの先進性が特に評価された。


ユカイ賞を授賞した、HAL名古屋の牧野班が開発したお絵かきボード

続いてBOCCO賞を授賞したのは、HAL東京のチームで、自作のカードゲームを開発した「RD41_No.3」。リーダーがボードゲームカフェで働きながらプログラム開発を進めており、チームの熱量が特に高かった。


BOCCO賞を受賞したチーム「RD41_No.3」

そのほかのプロダクトも、更に磨きをかけることで、企業が開発するプロダクトと遜色がないものになっていくことだろう。

教育機関がベンチャー企業とコラボレーションして授業の一環として取り組むことはこれまで事例が限られていたが、今後プログラミングが学校で必修化される中で、こうした取り組みも増えていくはずだ。

※専門学校HALの先端ロボット開発学科は、教育内容を発展的に革新し、2019年4月開学認可申請中の「国際工科専門職大学(仮称)」(https://www.iput.ac.jp)情報工学科に全面移行する。(2018年8月時点)

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ロボスタ編集部

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